恵みをもたらす雨が突如として

 恵みをもたらす雨が突如として命を奪う凶器となった。九州から東海にかけての記録的豪雨で河川が氾濫し、茶色い濁流は農地も人々の暮らしも根こそぎのみ込んだ。死者、安否不明は200人近く▼気象庁は「数十年に一度の大雨が予想される」として11府県で特別警報を発表。ここまで広範囲に警報が出た年はかつてない。梅雨末期の豪雨がもたらす水害の恐ろしさを痛感した。地球レベルで温暖化が進む中、今後も予想を超える気象災害と向き合い続けていかなくてはならない▼国土交通省は気温上昇に伴い、今世紀末の降雨量はさらに1・3倍に増え、洪水発生の確率は4倍に跳ね上がると予測した。堤防があるから安全を確保できるとは限らない、災害列島と化した。生き抜くには、大丈夫だろうと過信せずに早めに避難して命を守るソフト面の対策と、堤防や河道の整備などハード面の対策が欠かせない▼被災地の農家はゼロではなくマイナスからのスタートとなる。絶望の中の唯一の救いは、若い力。茶色く染まった被災地の復旧を手助けしようと全国から続々とボランティアが駆け付けている▼秋田出身のジャーナリスト、むのたけじさんは「希望は絶望のど真ん中にある」という言葉を残した。どうか希望だけは捨てないでほしい。

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