言葉を失う

 言葉を失う。被災地は「掠雨(りゃくう)」から「烈日」へ。平成最大の豪雨被害は、日を追うごとに無残で深い爪痕を見せる▼本紙1面掲載の岡山県総社市のなぎ倒された桃の木の写真が、濁流の激しさを映す。「根が乾くと生育が滞る。大きな被害だが、命が失われなかっただけでも幸運と考えるしかない」「今は園地に上がるのも怖い。逃げるのが精いっぱいだった」。本紙支所の記者が伝える農家の肉声は、あまりに重く、そしてつらい▼死者、安否不明は200人を超す。助けを待つ人がまだまだいる。一人でも多くの命を救わねば。土砂の中から見つかった泥だらけのアンパンマンの縫いぐるみに悲しみが募る。持ち主の子どもは、いつも離さずそばに置いただろう。激流にのみ込まれながら、この〈正義の味方〉に何を祈ったのかと思うと、いたたまれない▼きのうの国際協同組合デー記念中央集会でも、改めて災害時の助け合いの大切さを確認した。こんな時こそ協同の力の出番である。連帯と共助の精神を発揮し、被災地の復旧、復興を後押ししたい。JAグループは対策本部を設置し救援物資対応も迅速に行う▼農業用ため池の決壊が相次ぎ被害を大きくした。老朽化が著しい。食料自給力の基盤が揺らぐ。政府挙げ総点検を急がねばならない。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは