[手を携えて 協同組合間連携 4] 龍谷大学教授石田正昭氏 県域協議会専任雇用を 共通課題協力し解決

龍谷大学教授 石田正昭氏

 日本協同組合連携機構(JCA)が立ち上げた「日本の協同組合連携研究会」の座長を務める、龍谷大学の石田正昭教授に協同組合間連携の意義や、円滑に進めるためのポイントを聞いた。石田教授は、組合員は介護など暮らしに関わる共通の課題を抱えている可能性が大きいとして、解決に向け協同組合で協力する意義を強調。県域の連絡協議会を全県域で設置し、経験豊富な定年退職者を専任として再雇用することを提案した。

 ──協同組合間で連携する意義は。

 企業との連携は、基本的にお金と物の交換で終わる。売り上げを伸ばすために顧客を獲得する手法の一つという位置付けだ。一方で、協同組合は、共通する問題に対して支え合う“人の結合”を目的にした組織。協同組合の連携は人とのつながりを大切にすることだ。例えばJAと生協がつながることで消費者による援農に発展している例もある。

 組合員の暮らしを見ると、子育てや介護など、JAが抱えている問題は、実は生協も抱えている可能性が大きい。“人の結合”という社会的意義を持つ協同組合が「持続可能なよりよい暮らし・仕事づくり」を目指して連携することには意義がある。

 さらにJAグループにとっては、各協同組合の組合員と交流し、農業への理解を深めてもらうことで、農産物の消費拡大にもつながるだろう。

 ──連携する際のポイントは何ですか。

 どれだけ役職員同士の交流が進められるかが重要だ。相互理解を深めるためにも、日常的に集まる機会をつくってほしい。

 連携の最初のステップとして学習会を開いてはどうか。事例としては、生協店舗で管内のJAや漁協が参加する販売イベントもある。子ども向けに収穫体験や地引き網体験をすれば、親もついてくるので効果的。ここで重要なのは、一回限りで終わらせないことと、広報体制を整え、地域住民に向けて協同組合の活動を情報発信することだ。

 ──都道府県段階の組織は、どうあるべきですか。

 まずは組織の強化が必要だ。全ての県域で連絡協議会をつくらないといけない。その際には、地域に発信力のある地元テレビや地元紙の参加も促す。既に組織があるところでも、職員が事務局を兼務でこなしていることが多く、片手間の仕事になっている。これが毎年同じようなイベントの開催で終わってしまう原因だ。

 対策として、経験豊富な定年退職者を事務局の専任として再雇用することも考えられる。将来的には、任意組織から一般社団法人やNPO法人に改編するなどし、組織整備することが望ましい。(おわり)

 (この企画は吉田朋記が担当しました)
 

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