農産物需要減速へ 10年で一転、低調予測 FAO農業見通し

 国連食糧農業機関(FAO)と経済協力開発機構(OECD)は、最新版「農業見通し」を発表した。世界の農産物市場を取り巻く環境は、穀物価格の上昇で食料不足に対する危機感が広がった10年前から様変わりし、今後10年間(2018~27年)は農産物需要や価格が低い水準で推移すると予測した。

 報告書は、08年に世界の穀物価格が高騰した要因の一つに、中国などの新興国の需要拡大を指摘。人口増加に加え、成長を続けた新興国で世帯の所得が増え、肉の消費量が増え、飼料向け穀物需要が急増した。しかし今後10年間はこうした需要が減速し、これに代わる新たな需要は想定できないとの見方を示した。

 「次世代のガソリン」として注目されたバイオ燃料向け穀物需要についても、「過去10年間に比べて低調な推移が続く」と予想した。

 報告書は主要生産国の農業政策が継続されることを前提としており「世界的に保護主義への傾斜が強まる中、農業政策にも不透明感が増している」と述べ、世界の農産物貿易に悪影響を及ぼす可能性があるとした。

 農産物輸出が米国やブラジルなど少数国に集中する一方、輸入はアフリカやアジアなど広範囲の地域に及ぶため、世界の農産物市場は需要側より供給側の政策変更や気候変動がはるかに影響を及ぼすとの見方を示した。 

 

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