青空にヒマワリが映える

 青空にヒマワリが映える。鳴き始めたセミの声と重なり、盛夏を告げる▼太陽の向きに合わせて花が動くとされ、「日回り」とか「日輪草」とも書く。植物学者田中修さんの近著『植物のひみつ』(中公新書)によれば、動くのは花というより、一番上の若い葉っぱが日光を追い掛ける。“静止”が条件の生け花には、扱いが難しいとされた。それが真上を向いて咲いたままの画期的な品種をタキイ種苗が開発した。世界に誇る品種改良の技である▼どことなく社会性がにじむ。ソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」は、戦争で引き裂かれた夫婦の悲哀を描き、平和の尊さを画面いっぱいの花で表現した。ヒマワリをあしらった日本の弁護士バッジは「自由と正義」を象徴し、菊を配した「秋霜烈日」の検事バッジと趣を異にする。画家ゴッホは、名画「向日葵(ひまわり)」に「生・死・復活」を塗り込めた。美術評論家の井出洋一郎さんの著書に教わる▼きょうは「ひまわりの日」。1977年に日本初の静止気象衛星「ひまわり1号」が米ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。常に地球を向いて観測していることから、この名が付いた。打ち上げは9号を数え、異常続きの気象情報を発信する▼復興への願いを込め、ヒマワリが被災地でも一斉に天を向くといい。
 

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