西日本豪雨から2週間が過ぎた

 西日本豪雨から2週間が過ぎた。大切な人を失った悲しみ、収穫間際の作物が土色に染まった無念さ。言葉にできないくらいつらく、しんどいだろう。ちょっぴりでいい。言葉のチカラでかすかな希望を見いだしてほしい▼経済学者の神野直彦氏は、人間は悲しみを分かち合いながら生きていく存在だという。「悲しみを『分かち合う』と、悲しみに暮れている人だけではなく、悲しみを分かち合った人々をも幸福にする」(『経済学は悲しみを分かち合うために』岩波書店)▼1年前、105歳で亡くなった医師の日野原重明さんが遺した言葉も勇気をくれる。「あなたは今悲しみの真っ只中にいて、一生笑うことがないと思っているかもしれません。でも僕達人間には、時間がかかっても必ず悲しみを乗り越える力が備わっています」(『生きていくあなたへ』幻冬舎)▼原発事故で古里の福島県大熊町からの移転を余儀なくされたいわき市の根本友子さん(71)の言葉。「眠れない夜が続いた。でもね、自分だけがつらいわけではない。共有できる仲間がいたからこそ今がある。日本中の人が私たちのことを思ってくれた。震災は悪いことばかりではなかった」▼大熊再生を願い、根本さんらは今年もヒマワリの種をまいた。8月、沈黙の町で花が開く。 

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