91億円超の農林水産被害を出した秋田豪雨

 91億円超の農林水産被害を出した秋田豪雨からきょうで1年。記録的な大雨で雄物川が氾濫し、水稲で3277ヘクタールの被害が出た。壊れた水路の復旧は今も続く▼それでも亡くなった人はゼロ。これは決して偶然ではない。日頃からの住民の防災意識の高さが幸いした。例えば教育。秋田大学は東日本大震災以降、県内の小学生を対象に、児童自らが通学路や遊び場など、どこに危険が潜んでいるかを探して地図に落とし込む「防災マップ」を作っている。小学校3年生以上を対象に県内の地震の痕跡などを見学する「防災巡検」や、専門家が地域に出向く「ぼうさい教室」も開く▼提唱するのは同大学地方創生センター地域協働・防災部門の水田敏彦教授。命を守るには「災害をわがこととして考え、オオカミ少年になってでも必ず逃げることが大事」と説く▼農家の危機意識も高い。大仙市神宮寺で米を作る鈴木幸一さん(68)は元消防士。「避難勧告が出てから低地を重点的に回って避難を呼び掛けた。小さい時から田んぼが雨で冠水していたから、水には気を付けていた」と▼この教訓を西日本豪雨の時に生かせなかったか。地球温暖化が進む中で、災害は忘れぬうちにやってくる。災害を「わがこと」と捉え、オオカミ少年になる勇気を持ちたい。

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