千葉真子さん(スポーツコメンテーター) 食べ物のうま味を実感 スポーツは最高の調味料 

千葉真子さん

 国各地でたくさんのマラソン大会が開かれているのですが、私は年間25~30の大会にゲストとして参加しています。講演、ランニング教室、テレビのロケを含めますと、週末はほとんど地方にいるという感じですかね。

 地方に行った時の楽しみの一つは、食べること(笑)。醍醐味(だいごみ)ですよね、その土地で取れたおいしい物をいただくというのは。

 東京でも、なかなかこのおいしさを味わうことはできませんから。

 最近食べておいしかったのは、テレビのロケで行った舞鶴(京都府)のカキ。カキ御膳を頼んだら、最初に出てきたのが生ガキと魚の刺し身の盛り合わせ。とても豪華でしたので、もうこれで終わりじゃないかと思いましたが、その後も次から次へとさまざまなカキ料理が出てきました。どれも甘くて、とろけそうなおいしさ!値段も安く、感激でした。

 月に参加した東根(山形県)の「さくらんぼマラソン大会」も魅力がたくさんです。今年で18回目を迎える大会で、私も何度も参加させていただいています。

 この大会では、給水場ならぬ給スイーツ場がありまして、凍った「佐藤錦」を食べることができます。これが甘くて本当においしい!今年の「佐藤錦」は例年に比べても甘いんです。目が覚めるような甘さというのでしょうか。一つ食べたら、どんな嫌なことも忘れてしまいます。

 おいしい物は普通に食べてももちろんおいしいですが、走っている最中や走った後に食べると、よりおいしく感じるものなんです。スポーツは最高の調味料。感性が研ぎ澄まされ、食べ物のうま味をよりストレートに感じることができます。

 北海道の「たきかわコスモスマラソン」にも参加させてもらい、そのたびに地元の方から名産品のセットが届きます。ジンギスカン、サケ、ジャガイモ、カボチャなど、北海道の名産品が丸ごと!

 人とのご縁もできる上、おいしいものもいただける。仕事なのになんてぜいたくなんだろうと思います。

 レビのロケで農家を訪ねることもあります。

 会津(福島県)の畑でアスパラガスを食べた時のことは忘れられません。朝、取れたてをパキッと折ると、断面に水分がシュワーッと出てくるんです。そのみずみずしいアスパラガスは、なにもつけなくても甘い。取れたてってなんておいしいんだろうと感動しました。

 ですから私は、なるべく収穫から時間のたっていないものをいただくようにしています。

 近所のスーパーには地元で取れた野菜のコーナーがあって、その野菜を買うことが多いですね。形は良くない物もありますが、安くなっていて。その安さも魅力ですが、近くで取れた野菜ですので収穫から店頭に並ぶまでの時間も短いでしょうし、やはり地元産は安全かなという思いがあります。

 栃木県のかんぴょう農家に寝泊まりし、かんぴょう作りをお手伝いしたこともあります。ウリ科のユウガオの実を取りに行くところから始めました。夜中からその皮をむき始め、竹ざおに干すんです。むいた皮が重ならないように、丁寧に。これは本当に大変な作業でした。

 こうした経験から「心して食べないと」という思いを強く持ち、ありがたく食べるように心掛けています。(聞き手・写真 菊地武顕)
 

<プロフィル>ちば・まさこ


 1976年、京都府生まれ。96年アトランタ五輪1万メートルで5位入賞し、翌年のアテネ世界陸上では1万メートルで銅メダル(日本女子トラック長距離種目初)を獲得。その後マラソンに転向し、2003年のパリ世界陸上で銅メダル。引退後は「千葉真子BEST SMILE ランニングクラブ」を立ち上げ、市民ランナーの指導や普及活動にも力を注いでいる。

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