日米貿易協議 自動車分野焦点に FTA交渉巡り攻防か

 日米両政府は9日午後(日本時間10日午前)、米ワシントンで、新たな貿易協議(FFR)の初会合に臨む。米国側は自動車分野の貿易赤字削減や、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉入りを求めてくる可能性がある。日本側はFTA交渉には否定的だが、米国側は自動車の追加関税をちらつかせて、日本側に強硬に譲歩を迫ってくるとみられ、初日から激しい駆け引きも予想される。

 茂木敏充TPP(環太平洋連携協定)担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表によるFFRの初会合は、9日午後2時半(同10日午前3時半)に始まる。

 焦点は、米側が問題視する対日貿易赤字の8割を占める自動車や自動車部品だ。6月の日米首脳会談で、トランプ米大統領が名指しで不満を示していた。

 トランプ政権は、安全保障を理由に輸入自動車への追加関税を検討している。発動されれば、日本経済に甚大な影響が予想されるため、日本政府は「世界経済に破壊的な影響を及ぼし得る」と警戒するが、米国側はこうした措置を取引材料に譲歩を迫る構えだ。

 トランプ政権は11月の中間選挙に向けて成果をアピールするため、農業分野でも厳しい要求を突き付けてくる恐れがある。日本は米国産農産物を大量購入している“得意先”で、米国の貿易収支に大きく貢献している。日本側はこうした点を説明して理解を得たい考えだ。

 両政府は今後、数回のFFR会合を経て、9月の国連総会時に想定される日米首脳会談で成果を確認する段取りを描く。

 ただ、直前になっても初会合の議題は固まっておらず、茂木、ライトハイザー両氏の「現場での交渉になる」(茂木氏)見通しだ。日米の思惑の違いは大きく、協議は10日まで及ぶ可能性がある。
 

協議内容を注視 全中会長


 JA全中の中家徹会長は8日の臨時総会後の会見で、9日から米国で開かれる日米FFRについて、農家には不安があると指摘し、これに配慮するよう求めた。今後の協議内容は不透明だとし、注視する考えを示した。JA自己改革は着実に進展しているとした上で、組合員との対話運動にも力を入れるとした。

 FFRに関連し、中家会長は「農家は、FTAにならないかなど、いろいろな心配があるだろう」と述べた。JAグループとして6日、斎藤健農相に加え、茂木敏充TPP担当相と意見交換したと説明。農家の不安について伝え、茂木TPP担当相から「そのことを理解した上で協議する」との返答があったとした。

 安倍晋三首相が、対米交渉でTPP以上の譲歩はしないと明言していることを指摘し「そのことを大きな力として、どのような協議になるかを注視していきたい」とした。

 JA自己改革は「着実に進展しているという感触を持っている」とした。一方で、JAと組合員の認識に差があると指摘。訪問や業務中の話し合いなど、引き続き組合員との対話運動を展開する必要があるとした。

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