高CO2で米16%増 「多もみ」系統作出 農研機構

通常「コシヒカリ」(左)と、「コシヒカリ」に交配でもみ数を増やす遺伝子を導入した系統(農研機構提供)

 農研機構は10日、将来的に気候が変動し、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が高い中で、水稲のもみ数を育種で増やすことでさらに増収できるとの研究結果を発表した。交配によりもみの数を増やす遺伝子を持った「コシヒカリ」の系統を作り、50年後のCO2濃度を想定して、栽培した。その結果、収量が16%増えた。CO2の増加は地球温暖化などの悪影響の懸念があるが、対策によっては、農業生産を高めることができるとし、育種への活用を提案する。

 大気のCO2濃度は18世紀後半の産業革命まで約280ppmだったが、次第に増え、2015年には400ppmを突破。現在のペースでは50年後に約600ppmに達すると予想される。CO2濃度が高まった中で、農産物をいかに生産するかが、研究課題になっている。

 今回の研究では、「コシヒカリ」に、もみ数を増やす「APO1」という他の稲の遺伝子を交配して導入した。その「コシヒカリ」系統を、50年後を想定し、CO2濃度約600ppmで栽培すると収量が16%増加した。通常の「コシヒカリ」は、5%ほどの増収にとどまった。「コシヒカリ」以外の品種でも、同様の育種が可能という。

 研究した農研機構・九州沖縄農業研究センターは「世界の人口が増え、食料不足が予想される中、CO2の上昇を増収につなげることが有効だ。交配で遺伝子導入すれば簡単に育種ができるので、早い段階から品種開発を進めておくことが大切」と説明する。

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