[未来人材] 34歳。 放棄茶園を畑に、野菜作り「耕作隊」 伊澤光興さん 静岡県浜松市 学生と共に楽しく

元茶園の畑に植えたラッカセイの生育を確認する伊澤さん(静岡県浜松市で)

 茶産地の静岡県浜松市天竜区春野地区。茶・果樹農家の伊澤光興さん(34)は、放棄茶園を転換して地区では珍しい野菜栽培に挑戦する。地域の若手農家や大学生と「春野耕作隊」を結成。農作業から販売までチーム一丸で取り組む。活動は5年目。地域の新しい農業の形を模索している。

 農業大学校で茶の栽培を学んだ後、親元で就農。茶とキウイフルーツを管理する。農業を始めてから、食卓によく並ぶ野菜が地区内でほとんど作られていないことが気になった。「農のあふれた地域なのに、地区外産の野菜を食べている。違和感があった」と振り返る。

 そんな折、就農を考えている若者が茶園を転換して野菜を作ろうとしていることを知った。住民に聞き取り調査をしていた静岡文化芸術大学の学生からも、協力を得られるめどが立った。「ここがタイミングだ」と2014年、仲間の農家の園地で活動を始めた。

 転換予定の茶園を農家仲間や学生と草刈りし、機械で茶の木を抜根。さら地にして、トウモロコシなど野菜を育ててイベントで販売する。学生は多い時で月4回のペースで訪れる。仲間の圃場(ほじょう)で始めた活動だが、成果を見た地域住民から依頼が舞い込むようになった。基本的に農地は無償で借り受ける。これまでに70アールを手掛けた。

 デザインを学ぶ学生から知恵を借りて、販売で使うシールやLINEスタンプなどを制作。こうした経験がやりがいとなり、卒業して県外に出ても作業を手伝いに来るOBも現れた。

 夢は、地域で直売所を開くこと。「若手農家と学生で楽しみながら、春野地区の野菜の魅力を発信したい」と意気込む。(吉本理子)

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