訪日客をお出迎え 折り鶴5000羽国旗に 長崎・壱岐島の宿泊所

島宿「和茶美」の玄関。壁には世界193カ国の国旗を表現した折り鶴の飾りが並ぶ(長崎県壱岐市で)

 長崎県の壱岐島に、空き家を改築した訪日外国人向けの宿泊所がオープンした。玄関に約5000羽の折り鶴で世界193カ国の国旗を表現した壁飾りをあしらい、来訪者を“おもてなし”。日本らしい五右衛門風呂やいろり、野菜畑なども用意した。人口3万人の島で、島民と外国人が交流する拠点を目指す。

 福岡市から高速船で1時間。海岸を見渡す高台にある島宿「和茶美(わさび)」のオーナー、中尾拓也さん(32)は地元JAを退職後、空き家だった築50年の曽祖父の家を2年かけて自力で改装した。柱はペンキではなく柿渋で塗装。天井をなくし、はりを見せて古民家の風情を残した。改修費の一部は国境離島新法の雇用機会拡充事業の補助金を使った。

 大学卒業後、オーストラリアに2年間滞在した中尾さん。現地の生活に触れる中で、外国人と島民が交流する場を島でつくることが夢になった。

 玄関を開けて真っ先に目に入るのが、国旗の上に折り鶴を貼った壁飾り。各国の国旗の上で鶴が羽ばたくように貼り付けた。制作時間は1国で4時間ほど。193カ国の完成に向け、開店前3カ月は終日、鶴を折り続けた。「離島の場合、客がわざわざ足を運ぶ理由が必要だ」という。

 男女別の相部屋で1泊素泊まりが3000円から。両親が育てる壱岐牛の見学やツリーハウスでの休憩、野菜のプチ収穫体験など“農的な生活”にも触れられる。「島に長期滞在する外国人をターゲットにしたい」と中尾さん。星空の下での映画観賞や五右衛門風呂体験など構想は広がる。

 島に宿泊する外国人観光客は年間1200人ほど。壱岐市は20年までに1800人に増やす目標だ。市は「観光と交流の新たな拠点になればいい」と期待する。 

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