「諦めぬ!」 金農サヨナラ 近江に3-2、あす日大三と準決勝 あきたこまち快進撃支える

応援団が待ち受ける一塁側スタンドに満面の笑みで駆け出す金農ナイン(18日、兵庫県西宮市で)

 第100回全国高校野球選手権大会で準々決勝に進んだ金足農業高校(秋田)は18日、近江高校(滋賀)と対戦。3-2で劇的なサヨナラ勝ちを収め、34年ぶりのベスト4に進出した。20日の準決勝で日本大学第三高校(西東京)と対戦する。連日の逆転劇を呼び込んだ気力と体力、諦めない勝負強さの秘密は、秋田県産「あきたこまち」だ。4試合で計615球投げた吉田輝星投手(3年)もその一人。宿舎で毎晩食べており、「体力を維持できたのは、食べ慣れた米のおかげ」と語る。

 同校は選手らの宿舎に地元産「あきたこまち」を持ち込み、毎日食べて試合に臨んでいる。秋田県農業試験場で米などの作物を研究する川本朋彦主席研究員は「食べ慣れないものを食べ続ければ食欲が減退し、選手のパフォーマンスにも影響するだろう。そういう意味でも県産の米の効果は大きい」と分析する。

 甲子園球場へ応援に駆け付けた野球部OB会長の中山英悦さん(71)は、「あきたこまち」を生産する農家。「陰ながら、あきたこまちが快進撃を支えたと思うと、米農家でよかったと心底感じる」と感慨深げだ。
 

「農高の誇り」


 同校の快進撃で刺激を受けた農高生も多い。“友情応援”をした兵庫県三田市の有馬高校1年で吹奏楽部の釜渕教実さんは、農業系学科「人と自然科」で学ぶ。「金足農高の活躍で、農業系高校の生徒であることが、以前より増して誇りに思えた」と力を込める。

 金足農高生物資源科で果樹を学ぶ吹奏楽部部長の熊谷望愛さん(3年)は「快進撃が農業高校に進学したいと思うきっかけになればうれしい」と力を込める。(前田大介)
 

校歌、万歳、叫び地元“歓喜の渦”


 金足農業高校の吉田輝星投手(3年)、菊地亮太選手(3年)、菅原天空選手(3年)らの地元、秋田県潟上市役所では18日、役所内ホールの大型スクリーンで試合を放映した。吉田投手が所属していた少年野球チームの子どもや農業関係者、地元住民ら約170人が集まり、劇的なサヨナラ勝ちに歓喜した。

 9回裏サヨナラ勝ちを決めると、観客は立ち上がり叫び声を上げ、抱き合って大喜び。校歌を一緒に立ち上がって歌う観客もいた。藤原一成市長も駆け付けて観客らと万歳した。

 同市で輪菊を栽培する伊藤司さん(36)は「感動しかない。金農はいつも何かをやってくれる。農業高校に興味を持つ人や、入学者が増えるのではないか」と喜んだ。少年野球チームに所属する同市の吉田慶さん(6)は「勝ってうれしい。金農に入って甲子園に出たい」と夢を語った。

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