自己改革対話運動 思い一つに未来を拓く

 JA自己改革の推進力は「対話運動」にある。組合員の声を受け止め、成果を届ける。その不断の取り組みこそ自己改革の本質だ。改革への思いを一つにするには、役職員の学習活動が欠かせない。組合員も改革の主役という当事者意識を持ってほしい。対話運動は、JAの未来を拓(ひら)く運動である。

 JA全中が今年度から提起した組合員との対話運動は、一連の急進的な農協改革が背景にある。なぜ総合事業を営むJAへの無定見、無理解な攻撃が間断なく続くのか。対話運動を通じて、問題意識を共有し、「上から改革」ではなく「下から改革」を実践し、JAの将来像を描くことがいわれなき攻撃への最大の防御だ。

 JAグループは、政府の定めた来年5月の改革集中期間までに、改革の成果を具現化していくための取り組みを加速させている。その具体的な裏付けとして、今年末から来年にかけ、組合員調査にも乗り出す。対話運動はそのベースとなるものだ。

 ただ、はき違えてはならないのは、調査自体が目的ではなく、また改革にゴールがあるわけでもない。対話や調査の過程で、組合員の声を聴き取り、組織・事業運営に生かす。そのサイクルを回すことが真の自己改革に他ならない。

 対話運動の要は「双方向性」にある。現状認識、課題の抽出、解決法の提示、事業計画への落とし込みと実践、検証と改善──。こうした好循環を生み出すためには、JA役職員と組合員が日常的に意思疎通を図らなければならない。この間、JAグループでは役員が率先して戸別訪問、研修会などを行っているが、対話を実のあるものにするためには、役職員の日常的な学習活動が欠かせない。

 役職員は、協同組合の原則である出資・利用・運営(参画)の三位一体体制に始まり、信用事業譲渡・代理店化、准組合員の事業利用制限など喫緊の課題について、「自らの言葉」で語れているか。総合事業が維持できなくなれば、営農や暮らしにどんな影響が出るのか。准組合員を地域農業振興のパートナーとしてどう位置付け、JAへの参画を促していくか。それらを借り物の言葉でなく、実践中の自己改革に引き寄せて説明、提案しなければ、組合員の理解や共感を得ることはできない。

 いずれもJAの存立基盤に関わる重要な課題である。言うまでもなくJAの針路に関わる決定権は組合員が持つ。組合員はJA任せでなく、当事者意識を持って自己改革の主役になるべきだ。

 対話なくして自己改革なし。自己改革なくしてJAの未来なし。対話は協同組合の原点にして普遍の価値だ。だから「運動」なのである。自主・自立・民主的運営を基本とする「協同組合自治」が機能するかどうかは、対話運動の成否にかかっている。全員参加、全員主役で自己改革を完遂しよう。 

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