乳、野菜流通が混乱 都府県向けの出荷滞る

 北海道で6日未明に発生した地震の影響で、生乳の流通に混乱が広がっている。停電で搾乳や集乳ができない上に、乳業工場が生産を停止したことで、生乳が出荷できない事態が生じている。生乳需給が逼迫(ひっぱく)傾向の中、道産生乳に頼る都府県の消費にも影響を及ぼしそうだ。

 道内は広域で被害を受けている。一部地域では自家発電機を使って搾乳を行っているものの、対応は難しい状況だ。ホクレンは「被害状況の確認を急ぐ」姿勢だ。

 大手乳業メーカーは停電の影響が相次ぎ、道内にある工場の生産を中止。6日正午現在、明治は7工場、森永乳業は関連工場を含め4工場を、雪印メグミルクも7工場で生産を見合わせた。一部工場では製造ラインの損傷も発生している。

 都府県への生乳移出を担い、北海道と本州を結ぶ大型高速船「ほくれん丸」の6日の運搬では、集乳ができていないため、移出量は限られた量になる。特に今年は都府県産の生乳生産の落ち込みが響き、学校給食が再開したこの時期は、道産への依存が高くなっている。Jミルクは「都府県の消費に大きな影響を与える可能性がある」と懸念する。

 鉄道やトラックの輸送も大きく乱れ、野菜の流通にも影響が出ている。秋に取引されるジャガイモやタマネギ、ニンジンといった土物類は道産が大半を占める。代替産地がない中、輸送網の復旧には時間が掛かる見込みで、品薄の長期化を懸念する声が市場業者に高まっている。

 地震に伴う道内の停電発生を受け、JR貨物の道内と本州を結ぶ便が運転を見合わせた。道産野菜は多くが鉄道で輸送されるが、同社は6日午後1時現在で「復旧の見通しは立っていない」(広報室)と説明する。

 鉄道に代わる船便も十分に稼働できなかった。ホクレンは「運送業者が動けず、港までの道内の輸送が滞った」と指摘。産地での集荷もほとんどできなかったとし、道路や鉄道の復旧が遅れれば、今後の出荷に影響が出ると見通す。

 東京都中央卸売市場大田市場では6日、道産のジャガイモやタマネギなどに価格の変動は見らず、平常の取引だった。ただ、卸売会社は「在庫は長くて数日分しかない」と、入荷の落ち込みを不安視する。停電で連絡ができなかったり、選果場が休んだりしている産地もあるといい、市場関係者は「週明けにかけて入荷量の少ない状態が続けば、相場が値上がりする可能性がある」と見通す。

おすすめ記事

地域の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは