北海道地震で乳業 牛乳欠品 相次ぎ通知 工場停止、生乳届かず

 北海道地震の影響を受け、乳業メーカー各社が首都圏のスーパーなど取引先に、牛乳の欠品が生じる通知を始めた。道内では停電で大半の乳業工場が稼働を停止し、原料の生乳供給が滞っていることで、牛乳の出荷販売を抑制する。工場の稼働再開に時間がかかれば、牛乳などの需給逼迫(ひっぱく)が長期化する恐れがある。(大山知香)

 雪印メグミルクは8日の納品分から、スーパー向けの牛乳で出荷制限を始めた。猛暑や台風で生乳の確保に苦労していた中、北海道地震が重なった。「受注量に応えられない」(同社)ためだ。

 首都圏で展開するスーパーは「複数の乳業メーカーから欠品の連絡が来ている」と明かす。欠品が生じるのは、牛乳だけでなく、ヨーグルトやチーズなど乳製品全体に及ぶという。

 国内では高齢化による離農や猛暑の影響で牛の乳量が落ち、都府県を中心に生乳供給に不足があった。北海道産への依存が強まっていた中、地震で都府県への移出が滞ったため、消費に影響が及んできた。

 最大産地の北海道は、年間生産する生乳約400万トンの約1割強を道外へ移出している。学校給食が開始される9月は、牛乳の最需要期になり、都府県消費の約3割を道産が担い、今年は例年以上に道外移出量を増やす計画をしていた。学校給食への仕向けを優先するため、スーパー向けなどの牛乳の供給が不足するもようだ。Jミルクは「工場の再開が遅れれば、さらに欠品が広がる恐れがある」と懸念する。

 農水省の8日午後4時時点のまとめでは、北海道内39カ所の乳業工場のうち17カ所が稼動しており、残り22カ所でも電力供給が復旧し稼動に向けて準備が進んでいる。だが、工場によっては衛生面の問題から、タンク内の生乳を一度取り除くなどの作業が必要な場合も想定され「酪農家からの受け入れ再開まで、時間がかかる工場がある」(牛乳乳製品課)。

 生乳供給が滞ったことで、北海道と本州を結ぶ大型高速船「ほくれん丸」は7日に欠航し、8日の運搬量も計画より大幅に少なくなっている。

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