北海道地震 断水続く 酪農を直撃 解消めど立たず

水を配送する運送業者のドライバー(左)と、立ち会う酪農家(10日、北海道安平町で)

 北海道地震で最大震度7となった厚真町などで断水が続き、酪農への影響が出ている。JAは牛の飲用や、搾乳機器の洗浄に使う水の確保に奔走し、応急的に集乳用のタンクローリーを手配して支援する。生乳出荷に必要な量のぎりぎりしか貯水できない農家も多く、綱渡り状況が続く。断水解消の見通しはまだ立っていない。(川崎勇、望月悠希)

 厚真、安平の両町が断水状態のJAとまこまい広域では、酪農家32戸のうち、地下水を利用できない10戸で断水している。JAは、地元運輸業者で集乳を委託する大盛運輸を通じタンクローリーで水を配送。支援を続ける。

 牛は1日100リットル以上飲むなど、水は酪農に欠かせない。安平町で乳牛70頭を飼う酪農家は「断水は長引きそうで、今後の影響が心配だ」と訴える。水の配送を受け、貯水タンクに7トンを蓄える。牛の飲用水や、ミルカーの洗浄などに使用するぎりぎりの量だ。

 JAでは、全体で日量最大60トンを配送できる体制を整備した。各酪農家で水に余裕を持たせるため、貯水タンクの確保や、効率的な配送ルートの検討を進める。「断水は長期化する可能性があり、より安定的な供給方法を検討しなければならない」(畜産部)と危機感を募らせる。

 JAびらとり管内では日高町富川地区で断水が続く。乳牛約50頭を飼育する安藤秀男さん(65)は、震災から4日たった10日、やっと出荷を再開した。停電は自家発電でしのいだ。だが、水がなく、出荷できない状況が続いた。JAから貯水タンクが届き、出荷を再開した。安藤さんは「ここまで大変なのは初めて。出荷できなかったことによる経営への打撃は大きい」と不安を口にする。

 JAは10日、酪農家3戸に貯水用のタンク(1個2000~3000リットル)を届けた。JA営農生産部の横堤宏之部長は「断水による生乳廃棄はあってはならない。JAは全力支援する」と強調し、一刻も早い断水の解消を求めている。
 

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