ため池防災システム 決壊の危険度予測 3段階で即判定 農研機構

 農研機構は11日、豪雨や地震の発生時に、ため池の決壊の危険度をすぐに予測し、防災に役立てるシステムを開発したと発表した。豪雨の発生時はリアルタイムで、地震は発生から30分以内に「危険」「注意」「安全」の3段階で判定。情報は地元の管理者から自治体、政府まで一斉に共有し、住民の避難などに役立てる。全国のため池の半数の10万カ所をカバーした。ため池の安全性に関心が高まる中、2019年度から全国で運用する計画だ。

 ため池の決壊は水が堤の上をあふれて流れ、浸食することで起きる。地震では堤の沈下、豪雨では水位の上昇が原因だ。

 システムでは地震で強い揺れの起きた時、堤の沈下を揺れのデータから30分以内に予測。堤が水位より下がり、あふれそうな状態を「危険」、平常時と同じ状態を「安全」、中間を「注意」と判定する。豪雨時は気象庁がリアルタイムで示す降水量から水位を予測し、あふれそうな場合を「危険」とし、地震と同様「注意」「安全」の順に示す。

 判定結果はインターネットで関係者が見ることができ、地図上で色分けして表示する。ため池の管理者や、決壊を調べる義務のある市町村の担当者が緊急調査したり、避難指示を出したりできる。情報は県、農水省、他の省庁も同時に共有。どこかの機関の機能が止まっても情報は滞らないようにした。他の省庁のデータが使えるため、道路の通行止めなど避難に必要な情報も分かる。

 農研機構農村工学研究部門は「東日本大震災では、ため池の決壊で人命が失われたのに国への報告が9時間もかかった事例があった。システムは情報を関係者で共有し、すぐに人命を守る対応ができる」と説明する。
 

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