乳房炎対策 早期診断・治療を 衛生環境維持も重要

 大規模な停電が発生した北海道地震では、搾乳ができずに、乳房炎が多発するという課題が浮き彫りとなった。同様の事態は、他地域でも起きる恐れはある。乳房炎の症状や対応について、農水省管轄の試験研究機関である家畜改良センターに聞いた。

 乳房炎は、ふん尿や敷料に存在する細菌が、搾乳などで乳頭口が開くときに入り込むことで起きる病気だ。細菌は乳腺細胞に移動して毒素を出し、乳腺細胞を破壊。生乳の生産が滞る。また、破壊された細胞が生乳と共に排出されるため、生乳中の体細胞数が多くなる。1ミリリットル当たり30万個になると、乳房炎の可能性があるといわれる。

 乳房炎になると、乳房が赤く腫れ、生乳に白い固まりが見られるようになる。他にも発熱、食欲減退などの症状を示すことがある。抗生物質で治療できる。ただ、生乳の出荷が禁止される休薬期間が10日ほど発生する。

 今回の北海道地震のように搾乳できない期間が続くと、乳用牛には乳房の張りや痛みがストレスになる。抵抗力が弱くなり、牛舎内の常在菌でも乳房炎になりやすくなる。また、搾乳ができないため、細菌が乳頭口や乳腺細胞にとどまり、細菌の増殖を招くこともある。

 乳房炎が悪化すると、乳腺細胞が多く壊れ、生乳が出なくなる。残りの乳房で搾乳するか、廃用を選択することになる。

 悪化を防ぐには、乳房炎の兆候を見つけたら、すぐに獣医師の診断・治療を受けることだ。放置する期間が長いと、悪化のリスクが増す。治療が困難な環境では、牛床をこまめに代える、敷料を多めに入れるなどを行う。なるべく牛にストレスをかけず、衛生的な環境を保つことが大切だ。

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