健康訴求の米開発 消費拡大へ 栄養性、機能性売り メーカー 大学

 健康志向の消費者をターゲットにした米の開発が進んでいる。栄養成分が豊富な米をえりすぐって調製した商品や、血糖値の上昇を抑える米品種などの開発が相次ぐ。「米を食べると太る」といった負のイメージを払拭(ふっしょく)するため、メーカーなどは健康性を訴求する米を提案。消費のてこ入れを狙う。

 東洋ライスは、既存品よりも栄養性をより高めた「金芽米」の新商品を今秋にも発売する。

 金芽米は、複数の層からなるぬかのうち、栄養成分が詰まった一番内側の亜糊粉(あこふん)層を精米時に残した米。今回、亜糊粉層が従来の1・5倍と厚い米を厳選して使用する。自然免疫力を高める成分が従来の金芽米の3倍、ビタミンEが2倍含まれるなど栄養性を高めた。

 原料に使う品種は非公表だが、既存の複数の米品種を候補にしているという。同社は、全国に点在する特定の産地で生産された米に、亜糊粉層が肥厚した米が含まれることを突き止めた。集荷した米を機械検査などにかけて、層の厚みが基準をクリアした米だけを選抜する。同社の雜賀慶二社長は「今秋から来春にかけて、パックご飯として売り出したい」と意気込む。

 秋田県立大学などの研究グループは、食後の血糖値が上がりにくい米「A6」を開発した。血糖値上昇を抑えるため、食事制限がある糖尿病患者向けの需要を見込む。

 同品種は多収米「秋田63号」に、難消化性でんぷんを多く含む系統を交配、育成した。一般的な米は、でんぷんが分解されて体内に吸収されることで血糖値が上がる。しかし、「A6」は、体内で分解されにくい「難消化性でんぷん」が多く含まれ、体内への吸収、血糖値の上昇が抑えられる。

 開発した同大学の藤田直子教授は「糖尿病患者やその予備軍向けに活用が見込まれる」と話す。2021年産からの本格デビューを目指す。

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