[ここに技あり] 高所柿収穫に伝統農具「バッパサミ」 材料は竹と針金だけ 神奈川県川崎市 柿生禅寺丸柿保存会

バッパサミで収穫した柿を見せる飯草さん

バッパサミの先端部

 神奈川県川崎市の柿生禅寺丸柿保存会は「バッパサミ」と呼ばれる竹製の自作農具で高所に実る柿を収穫している。二股に割った竹で柿の木の枝を挟み、枝を折ることで柿を取る農具だ。圃場(ほじょう)にある木の高さや収穫作業の状況に合わせて製作する。材料は竹と針金だけなのでコストはほぼ掛からない。柿の収穫に欠かせない農具として地域に根付いている。

 「昔から地域では当たり前のように使っていた農具。少なくとも明治時代にはすでにあったようだ」と話すのは「バッパサミ」を長年愛用する会長の飯草康男さん(67)。名前の由来や誰が初めに考案したのかは今となっては分からないという。

 「バッパサミ」は作業場所や柿の木の高さなどの状態に合わせて作る。地域では木に登り作業する人は2~3メートルの長さで作るケースが多かったが、現在は高齢化もあり木に登る農家も減少。長めの「バッパサミ」を作る人が増えてきている。飯草さんも木に登らず、地上から作業をしやすい長さ5・8メートルの「バッパサミ」を使っている。

 作り方は、竹林に自生している真竹を柿の収穫作業をする人が使いやすい長さに切る。竹の先端40センチほどを、木の枝をつかみやすいようにU字状になるよう、なたを使って削る。削り取ったU字状の根本部分を縦に40センチほど二股に割る。40センチ以上竹が割れないように、40センチの部分に穴を開けて針金を通し、割れ目を固定する。その他も、持ちやすいように竹の節をなたや研磨機などを使い、削り取る。

 全ての加工を終えて1年間乾燥させると、竹の水分が抜け、軽くて丈夫な「バッパサミ」が完成する。青竹のままだと重くて持てないという。

 ポイントは10月下旬から11月中旬の真竹を使って作ること。夏場に収穫した竹は虫に食われているケースが多く、形も悪く、完成した時の耐久性が低くなるためだ。

 JAセレサ川崎柿生支店の中原泰人支店長代理は「高所で収穫する時に使う市販品のはさみもあるが、柿が落ちることがある。比べてみるとバッパサミのほうが便利だ」と評価する。

 飯草さんは「地域に伝わる伝統的な農具で次世代にこの技を伝えていきたい」と意気込む。

 

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