米農務長官 「目標はTPP以上」 対日交渉へ強硬姿勢

 米国のパーデュー農務長官は4日、日本との貿易交渉を巡り、環太平洋連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)以上の農産品の関税引き下げを目指す考えを示した。日米首脳会談では物品貿易協定(TAG)交渉に当たり、農産品はTPPなど過去の貿易協定の市場開放を「最大限」とする日本の立場を、米国が尊重することで合意した。だが、米国側の合意を超える強硬姿勢が鮮明になった。日本政府は今後の交渉で毅然(きぜん)とした対応が求められる。

 日米両国は首脳会談で、農産品を含む全物品を対象にしたTAGの交渉入りで合意。農産品の扱いを巡っては「過去の経済連携協定で約束した市場アクセス(参入)の譲許内容が最大限」とする日本の立場を米国が尊重すると、共同声明で明記した。年明けにも交渉が始まる。

 パーデュー氏は、ワシントンでの会合で「日本がEUに与えたものと同等かそれ以上の市場開放を期待する」と語った。会合後に関係者に対し「米国の目標は、原則TPPプラスになる」とも述べ、TPP以上の市場開放を求める姿勢を示した。

 米国抜きの11カ国による新協定(TPP11)や日EUEPAは来年早期にも発効し、関税の即時撤廃や段階的な削減などが始まる。米国の農業団体は、対日輸出に不利になるとしてトランプ政権に不満を強めている。

 パーデュー氏の発言は、11月の米中間選挙に向けて農業団体へのアピールを狙ったものとみられ、今後、米国側が圧力を強めてくるのは必至だ。

 さらに、ペンス副大統領は同日の演説で「日本と歴史的な自由貿易の取引に関する交渉を間もなく始める」と述べ、実質的に自由貿易交渉(FTA)交渉ととれる発言をした。

 安倍晋三首相は「包括的なFTAとは全く異なる」と明言している。両政府の説明の隔たりが浮き彫りになった形で、 TAGは「FTAではない」と説明している日本政府は整合性が問われそうだ。

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