人気小説 『下町ロケット』 TVドラマあすスタート 農への理解広がり期待 最新技術、担い手不足… 広く知って

下町ロケットパッケージのブランド米「飛燕舞」(12日、新潟市で)

テレビドラマで佃社長を演じる俳優の阿部寛さん(TBS提供)

中小企業奮闘 ロボット農機 主題に


 「ロボットトラクターが日本の農業を救う」。作家・池井戸潤氏の人気小説シリーズ第4弾『下町ロケット ヤタガラス』(小学館)でロボットトラクターが取り上げられ、農業関係者から「農業について広く理解してもらうきっかけになる」と期待の声が高まっている。14日からは小説を原作としたテレビドラマも始まり、スマート農業や人手不足の現状を幅広く訴える。ロケ地となった米どころの新潟県燕市では、ドラマ仕様の米袋を製作。ブランド米消費拡大の弾みにしたい考えだ。

 同シリーズは、累計300万部以上を売り上げた人気小説。東京都内の下町にある中小企業・佃製作所がライバル企業との競争の中で、持ち前の高い技術力を武器に奮闘する物語だ。今回はロボットトラクターのトランスミッション(変速機)を巡り、担い手不足が深刻な日本の農業問題に切り込む。

 タイトルにも含まれる「ヤタガラス」は作中で準天頂衛星の名称。現実では4基体制となった準天頂衛星「みちびき」が想起される。作中では、7基体制となり位置測位の誤差が数センチに改善し、トラクターの自動運転が可能になるとする。農業者の高齢化や労働力不足などによる農業の衰退を憂い「直面している農業の危機を回避する有効な手段になる」としている。

 同書は、オリコン週間BOOKランキングで初登場1位を獲得。今年7月に発売した『下町ロケット ゴースト』の続編ということもあり「売れ行きは好調」(小学館)という。

 ドラマは、前作を2015年にTBS系列の日曜劇場で放送。平均視聴率18・6%(ビデオリサーチ社調べ、関東地区)を記録。週刊誌による同年のドラマ視聴率ランキングで1位と紹介された。今作は、前作に引き続き主人公で佃製作所社長の佃航平役を、俳優の阿部寛さんが演じる。

 小説の執筆には農機メーカーのクボタやヤンマー、栃木県栃木市の稲作農家・田中潔さん(42)が協力。ロボットトラクターの第一人者で、北海道大学の野口伸教授らが助言した。野口教授は「農業ロボットの有用性を広く知ってもらえることは喜ばしい。日本の農業の在り方を農業関係者だけでなく、社会全体で考えるきっかけになれば」と期待を込める。
 

「飛燕舞」米袋 特別仕様PR ロケ地の新潟県燕市


 【新潟・越後中央】ドラマのロケ地の一つ、新潟県燕市では、同市のブランド米「飛燕舞(ひえんまい)」の米袋を下町ロケットパッケージにして、今月下旬から期間限定で販売する。市内の道の駅など3カ所で直売する他、ふるさと納税の返礼品にも採用。販路拡大に期待が高まる。

 「飛燕舞」は、化学肥料や農薬の使用を慣行の半分に抑えた特別栽培米の「コシヒカリ」で、全て1等米。

 特別パッケージは5キロ袋(2100円)、2キロ袋(980円)、300グラム袋(500円)計8種類を作成。「佃品質×燕品質」と記載し、2キロ袋にはトラクターやコンバイン、ロケットのイラストを散りばめた。JA越後中央は「米の品質の高さを知ってもらいたい」(経済課)と期待する。

 同市は金属加工も有名。同市は「米産地としての知名度アップや、金属製品のPRにもつながれば」(農政課)と話す。
 

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