リンゴ、柿 1割高 台風21号で傷み、落果 上位等級に不足感

 リンゴと柿の高値が続いている。10月中旬の日農平均価格(16日まで、各地区大手7卸のデータを集計)は、両品目とも過去5年平均(平年)より1割前後高い。9月の台風21号で傷みや落果が発生したため、上位等級品を中心に不足感が強まり、相場を押し上げている。卸売会社は「今月いっぱいは台風の影響が尾を引き、相場は平年より高く推移しそうだ」と見通す。

 9月上旬に日本列島に上陸した台風21号は、近畿から北日本の果樹産地に被害をもたらした。擦れ果などが増えた影響で、リンゴは早生種から堅調な取引となり、10月から中生種に切り替わっても高値を維持する。柿も序盤から高値が続く。

 10月中旬の日農平均価格は、リンゴが1キロ294円で平年比11%高、柿は1キロ230円で7%高となった。卸売会社は「全体の入荷量が極端に少ないわけではない。擦れ果などが多い分、不足感のある上位等級品の引き合いが強まっている」と分析する。

 各産地とも出荷は伸び悩む。JA全農あおもりによると、「早生ふじ」の1日当たり出荷量は100トンと、前年を1割下回る。「小玉傾向だった昨年に比べ、肥大は32、36玉級中心と良好だが、台風の影響で出回りが少ない」と話す。JA全農長野は「シナノスイート」について、「現在の出荷量は前年並みだが、擦れ果などがロスとなり、下旬以降に切り上がりが早まる可能性がある」とみる。

 柿主産地のJA和歌山県農は、先週までヤマ場だった「刀根早生」の出荷量を「全体で昨年より2割ほど少ない。正品率の低下が響いた」と指摘。今週から出始める「平核無」も同様に、出荷計画量は4554トンと前年比2割減を見込む。

 小売りは鈍い。首都圏のスーパーは青森産「早生ふじ」を1個120円(税別)、和歌山産「刀根早生」を1個98円(税別)と例年並みの価格で提供する。バイヤーは「一定の規格がそろいにくいので販促を仕掛けにくく、売り上げが伸びてこない」と指摘。別のスーパーは「需要の掘り起こしに向け、柿の擦れ果などを値頃な価格でまとめ売りすることを検討している」と説明する。 
 

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