日米物品貿易協定 米政権が議会通知 1月中旬にも交渉入り

 トランプ米政権は16日、日本との貿易交渉に入ることを議会に通知した。早ければ日米物品貿易協定(TAG)交渉が来年1月14日から可能になる。交渉開始の30日前には米国政府が議会に交渉方針を示すことになっており、12月15日にも具体的にどの分野に照準を当てるかが明らかになる。米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は上下両院に提出した文書で自動車、農業、サービス分野を中心に市場開放が不十分だと指摘。日本への圧力を強める姿勢を鮮明にした。

 米国の貿易交渉の手続きを定めた大統領貿易促進権限(TPA)法では、交渉開始の90日前までに議会に通知することを政府に求めている。USTRは、正式な交渉開始の30日前までに交渉の詳しい目的を公表することにもなっている。

 ライトハイザー代表は通知文書で、「自動車や農業、サービスなどの主要分野の輸出は数十年間、多くの関税や非関税障壁によって困難を強いられてきた」と指摘。その上で、「関税と非関税障壁の両方に対処し、公平でよりバランスの取れた貿易を成し遂げる」と対日交渉での関税と非関税障壁の改善に意欲を表明。実質的な自由貿易協定(FTA)交渉とも取れる認識を明記した。

 日米共同声明では農業分野を巡り、「過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限」との日本の立場を明記した。ただ、交渉を担当する茂木敏充経済再生・環太平洋連携協定(TPP)担当相は、「全体としてはTPPが最大限」としつつも一部品目でTPP以上の譲歩の可能性を否定していない。

 米国のパーデュー農務長官は日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)以上の譲歩を要求。農業分野をはじめ交渉は予断を許さない状況となっている。

 交渉入りに向けた議会通知を受け、米国の農業団体からは、歓迎の声が上がった。全米豚肉生産者協議会(NPPC)は、米国の追加関税措置に対する中国やメキシコの報復関税で、輸出が打撃を受けてきたことに触れ「日本と貿易協定を結べば、我慢が報われる」とし、豚肉市場の開放に強い期待を示した。

 トランプ政権は同日、EU、英国との貿易交渉入りの意向も通知した。 

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