日米貿易交渉 過去の協定が最大 対欧は発効急ぐ 臨時国会首相所信表明

 第197臨時国会が24日、召集された。安倍晋三首相は所信表明演説で「日本は自由貿易の旗手」として、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の早期発効を目指す考えを示した。環太平洋連携協定(TPP)並みの大規模な市場開放となるため徹底した議論が求められる。日米貿易交渉は、農産品の市場開放は「過去の経済連携協定で約束した内容が最大限」と強調。ただ、過去の協定では一部品目でTPPを上回る譲歩をしており、日米交渉でもその可能性がある。

 政府は、臨時国会に日欧EPAの承認案を提出する。首相は日欧EPA発効で和牛やブリ、日本酒の輸出関税が即時撤廃され「日本の農林水産物にチャンスが広がる」とした。「農家の不安にもしっかり向き合い、安心して再生産ができるよう、十分対策を講じていく」とも語った。

 日米は9月の首脳会談で貿易協定交渉入りに合意した。首相は演説の中で、この協定を「日米物品貿易協定」と呼び、国内に慎重論が強い自由貿易協定(FTA)交渉とは異なるとの立場を改めて示した。米国側は、従来の経済連携協定以上の市場開放要求をちらつかせる。生産現場からはTPPを下回る水準を求める声も多く、国会審議の焦点になりそうだ。

 「農林水産新時代」を掲げ、米の取引価格の回復や輸出拡大、生産農業所得増加などを実績に挙げた。中国向け精米輸出施設の追加で合意したことを踏まえ、米の対中輸出拡大に意欲を示した。

 西日本豪雨や北海道地震、台風などの被害が相次ぐ中、政府は復旧対策を盛り込んだ補正予算案を編成。「ハウスの再建や果樹の植え替えなどの営農再開に向けた支援」に力を入れるとした。

 政府は外国人材受け入れ拡大に向けて、新たな在留資格創設を盛り込んだ入国管理法改正案を臨時国会に提出する方針。「即戦力となる外国人材を受け入れる」とし、生活環境の確保などに取り組む考えを示した。

 農林業に続き、水産業の改革にも切り込む姿勢を示した。 

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