日欧EPA 議論低調 審議時間の確保焦点 国会

 政府は6日にも欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)承認案を閣議決定し、国会に提出する。農林水産物で環太平洋連携協定(TPP)並みの大幅な市場開放をする大型協定だが、臨時国会召集後の議論は低調だ。外国人労働者受け入れ拡大や米国との貿易交渉などに時間が割かれているためだ。審議時間が十分に確保されるか注視が必要だ。

 今国会は10月24日に召集。2日までに安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問と衆院予算委員会の審議が行われた。外国人労働者の受け入れ拡大や閣僚の疑惑、消費増税などに加え、貿易分野では日米物品貿易協定(TAG)を巡る質疑が集中。日欧EPAの具体的な質疑は、ほとんどなかった。

 日欧EPAは農林水産物の82%で関税を撤廃し、チーズや豚肉などEU産の競争力の高い産品も大幅な市場開放を決めた。同様に過去最大の市場開放となるTPPは、元の12カ国の協定で特別委員会を設け130時間以上審議している。

 一方、今国会の会期は12月10日までで、日数は残り40日弱と限られる。その上、野党が拙速と批判し、審議が難航しそうな外国人労働者の受け入れ拡大のための出入国管理法改正案なども控える。交渉責任者の河野太郎外相を交えた議論の場がどこまで確保されるかは不透明だ。

 日欧EPAを巡っては2017年に交渉が加速し、大枠合意が急転直下だったという指摘もある。野党幹部は「合意内容だけでなく、交渉経過も国会で精査されていない」と政府の説明不足を批判する。

 政府は12月中に協定承認などの手続きを終え、来年2月1日にも発効させる道筋を描く。

 協定承認案は、衆院では外務委員会で審議する見通し。発効に必要な関連法案は、農水省提出の地理的表示保護(GI)法改正案だけで、農林水産委員会で審議する。

 別の野党幹部は「外務、農水などの連合審査や予算委員会の集中審議など、さまざまな形で審議時間を確保する」と、与党側への要求を強める方針だ。

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