農地所有 5社で1・3ヘクタール 特区指定も活用少なく 兵庫県養父市

 国家戦略特区の兵庫県養父市で農業参入した企業11社のうち、特例で認められた農地所有は5社の合計1・3ヘクタールにとどまることが農水省の調べで分かった。5社の経営面積全体に占める割合は、わずか6%。特例が始まってから2年近くになるが活用は極めて低調で、農地所有のニーズは大きくない実態が浮き彫りになった。 

 同省によると、養父市で農地を借りて農業参入した企業11社のうち、5社が特例を活用して一部農地を所有。1社当たりの所有面積は2~60アールと幅があるが、全て1ヘクタールに満たなかった。

 農地を所有した理由について、5社は「地域との調和を保ちながら農業を行うため」とし、収益向上など直接的な経営上の利点を挙げる企業はほとんどなかった。

 農地法では、貸借での一般企業の農業参入を認める一方、所有権の取得は農業関係者中心で構成し、農作業従事などの要件を満たす「農地所有適格法人」(農業生産法人)に限っている。

 政府は2016年5月、国家戦略特区法を改正し、適格法人以外の一般企業が農地を所有できる特例を新設。同年9月に養父市に限定して施行された。

 16年の同法の国会審議で当時の石破茂地方創生担当相は、特例の全国展開には農地転用などの懸念が払拭(ふっしょく)されることに加え、農業参入者の増加や収益向上などの観点で、特例の効果が検証されることが必要との認識を示した。

 だが、特例の活用は極めて低調で、効果が検証されたとはとてもいえない状況が明らかになった。政府は企業の農地所有について、農地中間管理機構(農地集積バンク)法の施行5年後見直しに合わせて検討するとしている。政府・与党は農地制度について議論を始めているが、慎重な対応が求められる。

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