[島根・JAしまね移動編集局] 露地にマルチ張り仮植え 秋冬ネギ 秀品9割 地温抑え生育スムーズ

今年も順調に生育する「うんなんなべちゃん葱」(島根県雲南市で)

 島根県のJAしまね雲南地区本部は、夏越しする秋冬ネギで、定植前に苗を露地畑に仮植えする「マルチ仮植方式」を考案した。地温を抑えた仮植え床で、高温の影響を抑える。夏の暑さのストレスを減らし、定植後の生育が良くなり、秀品率は9割を超える。

 同地区本部は5年ほど前から水稲の育苗ハウスの活用などで、11月から3月取りの下仁田系の白ネギ「うんなんなべちゃん葱(ねぎ)」の産地化を進めている。2018年度は、14戸がハウスと露地で計40アールを栽培する。

 一般的に秋冬ネギは夏前に定植をするが、同方式はペーパーポットで育苗した苗を、5月下旬から6月下旬に露地に仮植えする。仮植え床は、地温が上がらないマルチフィルムを張り、タマネギの定植の要領で植え付ける。本圃(ぽ)には夜温が下がる8月下旬から9月上旬に定植する。

 技術を考案した米穀園芸課の高橋英次営農指導員は「採種用のネギは仮植えする。本場の下仁田でも仮植えをすると聞き、ヒントにした」と説明。マルチで雑草が生えないメリットもある。「中耕で根を傷めてしまう。マルチで生育がスムーズだ」と、夏に発生が多い軟腐病も防げる。

 元肥は本圃に入れ、大きさがそろった良質な株を選んで定植する。生育が旺盛になる時期に元肥があるため、生育も良い。定植時に古い葉を取り除くことで、葉まできれいなネギとして、引き合いを強められた。

 畝を高く立てて穴を開けて定植することで、土寄せ作業は最大3回で済む。「土圧が低いので、手収穫も簡単」と説明。機械で一斉収穫しないため、出荷規格を満たしていないネギは、収穫を遅らせることで秀品率を高められるという。

 水稲の育苗ハウス4アールで白ネギを栽培する雲南市の渡部博さん(66)は「ハウスでは夏を越せないが、露地の仮植えで品質の良いネギになる」と話す。17年に栽培を始め、1年目から品質の高いネギを出荷した。

 冬は積雪もあるが、ハウスで鍋物需要が高い2月まで出荷ができる。渡部さんは「2度植えは手間と考えたが、水稲の合間の作業で問題はない。収穫もこつをつかめば簡単。ハウスの活用で冬の仕事ができた」と喜ぶ。

 高橋営農指導員は「大産地と違い、稲作主体では畑が限られる。1本1本を確実に売ることが所得につながる」と説明。仮植え期間中はハウスで他の作物を栽培でき、農地の有効利用にもなるという。
 

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