授粉昆虫ビーフライ有望 イチゴ 奇形果減少 出荷率75%に 冬に蜂と併用 島根県農技センターが実証・普及

 島根県農業技術センターは、イチゴ栽培で授粉用ミツバチに代わる授粉昆虫として、ヒロズキンバエ「ビーフライ」を冬にハウス内に放飼することで、奇形果の発生を防ぐ効果が高いことを確認した。ミツバチの働きが弱くなる厳寒期に「ビーフライ」を同時放飼することで、出荷率は75%と高く推移。ミツバチだけの放飼に比べ、粗収益は6倍となった。

 島根県内のイチゴは9月定植、12月から翌5月まで収穫する促成栽培が一般的。冬はミツバチの活動が弱まるため、受粉不足による奇形果の発生が課題となっている。

 生産者の出荷データでは12月~翌年2月の正常果の出荷率は50%以下で、1月中・下旬は20%以下になることもある。

 対策として活動する温度がミツバチより幅広いビーフライに着目。幼虫が医療用に使われるなど、衛生面に配慮され、農業用でも活用が増えている。

 同センターの調査圃場(ほじょう)では、品種や栽培形態に関係なくビーフライを放飼したハウスの出荷率は75%以上。単価の高い正常果が増え粗収益も高まった。

 1匹単価は約2円。寿命が短く2週間で取り替えるため、2アール分であれば12月から3カ月で1回300匹分を6回購入する。輸送費を除き4000円以内で、ミツバチと比べて導入コストは安いと試算する。

 県内7カ所に設置した実証圃場では「奇形果の減少を実感した」「光が当たりにくい場所での効果が高い」と高評価。放飼の方法やタイミングもつかめ、実用化が進んできたという。同センターの金森健一専門研究員は「ビーフライ活用技術は全国へ普及できるレベルまで高めることができた。農家の高評価が一番の成果」とし、普及を進める方針だ。

 研究は、農水省の支援事業で2016年から3カ年で奈良県や農研機構などによる「ビーフライ利用コンソーシアム」の共同研究として取り組む。

おすすめ記事

営農の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは