直売所のPR効果 新顔「特A米」売り込め

 新しい銘柄米が次々と登場し、消費者への売り込みが活発化している。タレントを起用する産地もあるが、多くの産地は地道なPR活動を展開する。そうした中、「特A」評価をきっかけに直売所で人気が沸騰する新顔銘柄米が増えている。直売所ならではのPR効果をもっと生かそう。

 「コシヒカリ」の独占人気を打ち破った「つや姫」「ゆめぴりか」が登場してほぼ10年となり、いまや新潟一般「コシヒカリ」の価格を上回る銘柄米として定着した。この人気を背景にして、各地で新顔銘柄米が次々デビューし、タレントを使った活発な宣伝活動も少なくない。大産地ではないものの直売所を舞台に地道なPRを続け、人気銘柄として成長する米が増えている。

 埼玉県東部地区の「彩のきずな」は、日本穀物検定協会の2017年産米食味ランキングで特A評価を受けた。今年2月末の発表直後、JAの直売所には「彩のきずなはあるか」「食べてみたいが売っているか」との問い合わせが殺到。前年の6倍ペースで売れ、あっという間に在庫がなくなる直売所や、テレビ番組に取り上げられた当日、1カ月で販売する量が売り切れた直売所も出た。

 「彩のきずな」の先輩格が、神奈川県の「はるみ」だ。16年産から2年連続で特A評価を受けた。JA湘南の直売所「あさつゆ広場」では、栽培が始まった14年産から販売を開始した。JAの収穫祭でPRし、直売所で販売したところ「祭りで食べたあの米が欲しい」「冷めてもおいしいあの米は売っているか」と徐々に人気が高まった。2年後に特A米に選ばれると「はるみ」人気は、県内全域に広がった。

 さらにその先輩格は滋賀県の「みずかがみ」。15年産から3年連続で特A評価が続く。主産地のJAグリーン近江の直売所「きてか~な」は、「みずかがみ」がデビューした翌年の14年にオープンし、「みずかがみ」と共に米の売上げを伸ばしてきた。特に特A評価後は、大阪、京都、奈良など県外の客が30キロ袋でまとめ買いするほど。今では主力の「コシヒカリ」を抜き、「みずかがみ」が半分を占めるほどだ。

 3銘柄に共通するのは、①県独自品種②特A評価米③デビュー間もない新品種──で、いずれもJA直売所がPRの舞台となったことだ。一般に、無名の銘柄が特A米となっただけでは卸、小売は手を伸ばさず相場はアップしない。

 ところが直売所となると、地元産志向の消費者が「特A米なら試しに食べてみたい」と来店し、ファンになる。しかも、新顔の県独自品種を扱うスーパーはほとんどないため、「JAの直売所なら置いているのでは」という消費者の期待に応えてきたところが大きい。JA直売所は、米をはじめ地元農産物を売り込む大舞台である。
 

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