農村楽しむ散歩道整備 風景、日常 ぶらり体感 広がるフットパス 都市との交流 新たな一手
2018年11月15日

乗馬体験で人気のポニーの世話をする押田さん(北海道別海町で)
英国発祥で、森林や田園など、農村のありのままの風景を楽しめる歩行者用の小道「フットパス」が、広がってきた。じっくり地域を歩くことで農村の日常を知るきっかけになり、農家や地元住民は「都市農村交流の新たな一手になる」と意欲的だ。北海道では50近い自治体で広がり、熊本県では1000キロ近いフットパスが整備されている。草刈りなど維持、看板やトイレ設置といった地元の負担をどう解消するかが普及の鍵となる。
牧草地が広がる北海道別海町。酪農家の押田栄司さん(77)は10年前から、地域活性化の夢を描き、仲間たちとフットパス造りに取り掛かった。旧国鉄の標津線跡地を散策できるよう、草刈りなどをして地道に整備。毎年数回、地元住民や愛好者、都会の学生らを招いてツアーを実施する。フットパスは全長16キロに上る。乗馬体験などイベントも盛り込み、押田さんは多くの人と一過性ではない交流を重ねてきた。
道外からも訪れる“知る人ぞ知る”フットパスのコースになったが、課題がある。フットパスを維持する同町グリーンツーリズムネットワークの個人会員数は初期に比べて半分以下の10人(団体含む)となり、受け入れる民宿も減ってきた。JA道東あさひの長年の支援が大きな支えになっているものの、押田さんは「定期的な草刈りをしてフットパスを維持管理するのが大変。後継者もいないので、農家が手弁当で息長く続けるのが難しくなってきた」と苦労を明かす。それでも地元の人にも開拓の文化を伝えるきっかけになり、都市農村交流や地域活性化には手応えを感じ、行政との交渉も自力で進める。
同町の近隣にある根室市では、酪農家集団「AB―MOBIT」が2003年から、消費者に農村を歩いて自然に農業の意義を理解してもらおうとフットパスを整備してきた。牧場を身近に感じられる全長50キロのフットパスには、年間5000人弱が訪れる。「AB―MOBIT」の伊藤泰通さん(54)は「条件不利地のありのままを知ってほしい」と思いを込め、普及に尽力する。
フットパス・ネットワーク北海道の小川巌事務局長によると、道内50近い自治体でフットパスに取り組む。小川事務局長は「観光地を巡るだけでなく、農家らとの触れ合いや農村の日常を知ることができるフットパスへのニーズが高まっている。標識、トイレの設置など地元に負担がある。農家だけで維持するのは大変なので、関係者、歩行者を巻き込むことが鍵になる」と指摘する。
日本フットパス協会によると、北海道だけでなく、九州でも盛んだ。中でも熊本県では、歩く人を歓迎する地域づくりを進め、県内でフットパスは1000キロに上るという。同県美里町でフットパスを造ってきた農家の井澤るり子さん(67)は「歩く人が地域の価値を気付かせてくれる。歩く人は生活圏を散策するので感謝の気持ちを持つこと、地元はようこその気持ち。双方が思いを寄せることが大切」と考える。その上で「農繁期はイベントをしないなど地元の負担感を軽減する仕掛けが必要だ」とみる。
北海道や九州だけでなく新潟県十日町市や栃木県那珂川町など農山村各地で近年、フットパスを核にした地域おこしを目指す動きがある。新しい形の地域再生と新たな観光に需要が高く、今後も広がるだろう。農家や地元住民が主体となっているケースが多いが、課題もある。持続的に続けるために、地元の負担をどう解消するかが問われる。補助やコーディネートなど行政の後方支援も欠かせない。
北海道
牧草地が広がる北海道別海町。酪農家の押田栄司さん(77)は10年前から、地域活性化の夢を描き、仲間たちとフットパス造りに取り掛かった。旧国鉄の標津線跡地を散策できるよう、草刈りなどをして地道に整備。毎年数回、地元住民や愛好者、都会の学生らを招いてツアーを実施する。フットパスは全長16キロに上る。乗馬体験などイベントも盛り込み、押田さんは多くの人と一過性ではない交流を重ねてきた。
道外からも訪れる“知る人ぞ知る”フットパスのコースになったが、課題がある。フットパスを維持する同町グリーンツーリズムネットワークの個人会員数は初期に比べて半分以下の10人(団体含む)となり、受け入れる民宿も減ってきた。JA道東あさひの長年の支援が大きな支えになっているものの、押田さんは「定期的な草刈りをしてフットパスを維持管理するのが大変。後継者もいないので、農家が手弁当で息長く続けるのが難しくなってきた」と苦労を明かす。それでも地元の人にも開拓の文化を伝えるきっかけになり、都市農村交流や地域活性化には手応えを感じ、行政との交渉も自力で進める。
同町の近隣にある根室市では、酪農家集団「AB―MOBIT」が2003年から、消費者に農村を歩いて自然に農業の意義を理解してもらおうとフットパスを整備してきた。牧場を身近に感じられる全長50キロのフットパスには、年間5000人弱が訪れる。「AB―MOBIT」の伊藤泰通さん(54)は「条件不利地のありのままを知ってほしい」と思いを込め、普及に尽力する。
フットパス・ネットワーク北海道の小川巌事務局長によると、道内50近い自治体でフットパスに取り組む。小川事務局長は「観光地を巡るだけでなく、農家らとの触れ合いや農村の日常を知ることができるフットパスへのニーズが高まっている。標識、トイレの設置など地元に負担がある。農家だけで維持するのは大変なので、関係者、歩行者を巻き込むことが鍵になる」と指摘する。
熊本
日本フットパス協会によると、北海道だけでなく、九州でも盛んだ。中でも熊本県では、歩く人を歓迎する地域づくりを進め、県内でフットパスは1000キロに上るという。同県美里町でフットパスを造ってきた農家の井澤るり子さん(67)は「歩く人が地域の価値を気付かせてくれる。歩く人は生活圏を散策するので感謝の気持ちを持つこと、地元はようこその気持ち。双方が思いを寄せることが大切」と考える。その上で「農繁期はイベントをしないなど地元の負担感を軽減する仕掛けが必要だ」とみる。
維持負担軽減を 日本フットパス協会の尾留川朗理事の話
北海道や九州だけでなく新潟県十日町市や栃木県那珂川町など農山村各地で近年、フットパスを核にした地域おこしを目指す動きがある。新しい形の地域再生と新たな観光に需要が高く、今後も広がるだろう。農家や地元住民が主体となっているケースが多いが、課題もある。持続的に続けるために、地元の負担をどう解消するかが問われる。補助やコーディネートなど行政の後方支援も欠かせない。
おすすめ記事
農政運動 成果活用を 自己改革で与党決議、 農業予算増… 18年 全中まとめ
JA全中は、2018年にJAグループが行った農政運動の主な結果をまとめた。前年を上回る予算額の確保や、JAの自己改革を後押しする与党の決議採択などを成果と強調。「JAグループの要望、考えが反映された政策や予算が確保できた」と総括し、積極的な活用を呼び掛ける。
2019年02月17日
間がいいのか、悪いのか
間がいいのか、悪いのか。総務省が今月から、「統計の日」の標語を募集している。案の定、ネットはざわつく。「お役所が本気出して全力でボケてきたな」。そんなわけはないが、突っ込みどころは多い▼「統計の日」は10月18日。明治初期、農業生産調査などが定められた日にちなむ。1973年に制定され、以来、統計の大切さを標語で呼び掛けてきた。「統計は明るい暮らしの道しるべ」「論より数字 勘より統計」「統計の確かな情報 大きな安心」▼晴れやかな標語が、一連の統計不正で、すっかりくすんで見える。誠に罪深い。いま、ネットに相次ぐ投稿は、辛辣{{しんらつ}}極まりない。「合わぬなら作ってしまえ偽統計」「権力のためなら変えますその数字」「アベノミクス すべての統計自由自在」。大喜利なら「ざぶとん一枚」の声も掛かりそう▼役人の指先ひとつで好不況が操れるなら、これほど恐ろしいことはない。統計の英語訳は、ラテン語の「国家」に由来するという。統計とは一国の土台を成すものである。そこが不正や虚偽というシロアリにむしばまれていては、国という家は立ち行かない▼「正しい統計 間違い認める勇気から」。こんな投稿を採用するぐらいの本気度を政府には見せてほしい。標語は3月31日まで受け付けている。
2019年02月13日

豚コレラ 一般車両 消毒始まる 愛知
愛知県は豚コレラウイルスの封じ込めのため、田原市の発生農場から半径10キロの搬出制限区域の外でも、一般車両や畜産関係車両の消毒を始めた。県は「口蹄(こうてい)疫レベルの措置」で拡散を防ごうと必死だ。
田原市に隣接する豊橋市では、15日夜から①畜産関係車両の消毒②国道一帯に消毒液を散布③消石灰、または、消毒マットを敷設──を講じる。豊橋市の3カ所に設置した畜産関係車両の消毒ポイントは、24時間体制で稼働する。
作業員によると、週末のため関係車両の数は少ないものの「通過時には必ず立ち寄ってくれる。意識も高まっている」と話す。消毒後は証明書に、どこで何時に消毒したかを明記する。
幹線道路につながる道路6カ所にも、消石灰や消毒マットを設置し、消毒液の散水車も整備した。一般車両も消毒する。
県は16日、発生農場から半径3キロ未満の移動制限区域にある20農場について、立ち入り検査と血液検査の結果、異常はなかったことを確認した。同区域には発生農場を含めて35農場があり、15農場は関連農場として殺処分が進んでいる。
2019年02月17日
ため池 国の支援明記 今国会提出法案 防災工事 着実に
農業用ため池の決壊による被害を未然に防止するため、政府が通常国会に提出する「農業用ため池の管理保全法案」で、国による財政面や技術面での支援を明記することが分かった。ため池の適正管理や防災工事を担う所有者や自治体の負担を軽減することで、防災対策を徹底させる狙いだ。
2019年02月11日
衆院予算委 豚コレラ発生巡り首相 経営再開へ支援万全
安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、豚コレラの発生によって豚を殺処分するなどして、経営に打撃を受けた農家らの経営再開に向け、「政府としても万全の支援体制を取っていきたい」との考えを示した。発生農場などで防疫作業に長時間従事し、負担が大きくなっている自治体職員らのケアにも対応し、防疫措置の迅速な完了につなげていくとした。
2019年02月14日
経済の新着記事

18年産輸入量105万トン 安価に手当て、簡便性… 冷凍野菜が過去最多
2018年の冷凍野菜の輸入量が105万トンと過去最高を更新した。100万トン超えは2年連続。猛暑や台風などの影響から国産生鮮野菜の市場価格が不安定となる中、安価の輸入物で手当てする動きが強まった。調理の簡便性を求める消費者ニーズから市場が拡大している背景もある。国内の野菜産地は、輸入冷凍野菜の増加に危機感を募らせる。国産を求める声は多く、冷凍野菜市場の拡大に合わせた業務向け野菜の拡大など、国内産地の基盤強化策が重要になっている。
国産の不安定を反映
財務省の貿易統計によると、18年の冷凍野菜(調製品を含む)の輸入量は、前年比4%増の105万2076トン。品目別で増加が目立つのは葉茎菜類だ。ブロッコリーは18%増の5万7330トン、ホウレンソウも14%増の5万1796トンだった。全体の4割近くを占めるジャガイモは1%増の38万1634トン。主力の北海道産の生産量が回復した後も、輸入量は高水準が続いている。
国・地域別に見ると、中国からの伸びが目立ち、7%増の46万3251トンと3年連続で過去最高を更新。米国産は3%減の31万7506トン。市場関係者は、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効を受け、「今後は欧州産フライドポテトの輸入が増える可能性がある」と話す。
日本冷凍食品協会は、冷凍野菜が増える要因を「年間を通じて安定価格で販売している点が評価されている」と分析。コンビニやドラッグストアでも扱う店舗が増えているという。「今後も市場拡大が続く」と見通す。
首都圏でスーパーを展開するライフコーポレーション(東京都台東区)も「昨年の(冷凍野菜の)売上高は前年を4%上回った」と話す。都内の別のスーパーでも「春先は10%以上伸びた」と説明する。
一方、国産の冷凍野菜に期待する声も高まっている。ライフは国産にこだわった冷凍野菜を販売している。安心感などから「売り上げは2割近くは伸びている」と手応えを語る。JA宮崎経済連の関連会社で、冷凍ホウレンソウなどを製造販売するジェイエイフーズみやざきの担当者は「天候不順などもあり、増える注文に応えられない状況」と原料野菜の調達に苦心しており、「チャンスを逃さないためにも生産体制の確立が急務」と課題を指摘する。
2019年02月18日
TPP11、日欧EPAで米国 対日輸出 乳製品 半減を予測 貿易交渉 加速を訴え 酪農輸出団体が分析
米国抜きの環太平洋連携協定(TPP11)と日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)によって、2027年までに米国乳製品の対日輸出が半減し、最終的に累計54億ドル(約5900億円)の損失が出るとする報告書を米国の酪農団体が公表した。日米貿易協定交渉で他の協定と「同程度」の成果が必要としており、日本市場の開放を目指し焦りを募らせる米国側の姿勢が改めて浮き彫りとなった。
米国酪農輸出評議会(USDEC)が日欧EPAの発効に合わせ、チーズ、ホエー(乳清)、乳糖、脱脂粉乳の対日輸出の影響について、民間企業に調査を委託した。
日本は日欧EPAで、EUの輸出意欲が強いソフト系チーズで最大3万1000トン(生乳換算約39万トン)の輸入枠を設定。枠内関税を16年目に撤廃する。チェダー、ゴーダなどのハード系はTPP、日欧EPAとも16年目に関税を撤廃する。
こうした内容に基づき、米国乳製品の対日輸出は、22年までの5年間で従来の予測よりも9000万ドル(約99億円)、19%落ちると分析した。
27年までに両協定の参加国に対日輸出の半分を奪われ、累計損失額は13億ドル(約1400億円)と試算。日本の関税削減・撤廃が完了する38年までに同54億ドル(約5900億円)の損失を見込んだ。
最も大きい影響を見込むのがチーズ。人口減の中でも日本の消費量を増えるとみており、魅力的な市場と位置付ける。両協定と同じ条件なら、10年間で対日輸出量を大幅に増やせると推計する。
ただ、米国はTPPから離脱したため、関税の格差などで競争力低下が進み、10年後には対日輸出が8割減るとした。
「日本との間に(TPPや日欧EPAと)同等の協定がないままだと、米国は危険なまでに市場シェアを失う」と危機感を示した。一連の分析を踏まえて、「早期に手を打たないと市場での居場所を失う」と、日米交渉加速の必要性を指摘した。
2019年02月18日

米の農産物検査の見直し 「制度継続」望む声 産地 手法効率化 流通 規格強化を 農水省調査
米の農産物検査の見直しを巡り、農水省は、産地や流通、実需など各段階の関係者に行った調査結果を公表した。同制度への要望を尋ねたところ、現状維持を求める意見が多く、同制度の廃止を求める回答はほとんどなかった。一方、検査員の確保に課題がある実態を踏まえ、産地からは検査の効率化を求める声も上がった。ただ、流通関係者は検査規格の強化を求める傾向となった。
同調査では、「生産者」「集荷事業者」「登録検査機関」「米卸」「米穀店」「炊飯事業者」の6段階の関係者に加え、「都道府県」に対し、同制度への要望を選択肢で尋ねた。
炊飯事業者は同制度について、「現状のままでいい」が43%で最多となった。炊飯事業者以外でも、全ての関係者で現状維持の回答が上位となった。一方、「(同制度の)全面的な廃止」を求める回答はどの関係者でも0~3%にとどまった。ほぼ全ての関係者が基本的に同制度の維持を求めている実態が明らかとなった。
ただ、産地からは検査の効率化を求める回答が相次いだ。「検査手法の合理化・簡素化」を回答した割合は、生産者で41%、集荷事業者で49%、都道府県で36%となり、それぞれ最多の回答となった。また、検査を行う登録検査機関では、「事務の簡素化」(49%)を求める回答が最多となった。
産地で検査員確保に課題がある実態を踏まえ、東北地方のJA関係者は「(等級などを判断する穀粒鑑定では)従来の検査員による目視鑑定に加え、機器による計測なども取り入れ、作業を効率化する必要がある」と指摘する。
一方、流通関係者からは「検査規格の強化」を求める回答が多かった。米卸で34%、米穀店で43%となり、それぞれ最多の回答だった。等級の判断に関わる基準の厳格化などを求める声がある。
同制度を巡っては、農業競争力強化支援法で今年8月までの見直し着手を明記。同省は1月下旬に産地や実需の関係者などを交えた意見交換会を開き、今回の結果を公表した。調査自体は2015年度に実施していた。
2019年02月17日
液体ミルク 災害用へ備蓄続々 国内製造・販売も加速
国内での製造・販売が解禁された乳児用液体ミルクを災害用に備蓄する動きが自治体で出ている。災害時に乳幼児を守るためとし、東京都文京区や群馬県渋川市、大阪府箕面市が2019年度予算案に盛り込んだ。国内メーカーも製造・販売の準備や商品化の検討に入っており、今後各地の自治体で備蓄の動きが活発化しそうだ。
乳児用液体ミルクは粉ミルクのように湯で溶かす必要がなく、災害時にも、すぐに乳児に飲ませられる。11年の東日本大震災、16年の熊本地震の際に海外からの救援物資として持ち込まれ、関心を集めた。日本では昨年8月に厚生労働省が製造・販売を解禁した。
東京都文京区は昨年11月に区内の私立大学4校や製造メーカー、出版社と共同事業体(コンソーシアム)を形成。4校を妊産婦、乳児向けの救護所に指定し、災害時に乳児160人が1日半利用できるよう、125ミリリットル入り液体ミルクパック2000個と使い捨ての哺乳瓶を備える。新年度予算案に備蓄関連費用で260万円を計上した。
群馬県渋川市も2月下旬開会予定の市議会に提案する新年度予算案に備蓄費用として約56万円を計上する方針を固めた。紙パック(125ミリリットル)入りの液体ミルクを3日分として420本、保健センターに備蓄する。
大阪府箕面市も19日開会の市議会に国産の乳児用液体ミルクを備蓄する費用12万7000円を盛り込んだ予算案を提出する。常時600個(1個125ミリリットル)を公立保育園に備蓄する。
乳児用液体ミルクの製造・販売の動きも加速する。江崎グリコや明治が製造に向け準備を進める他、森永乳業や雪印メグミルクが商品化を検討する。渋川市の担当者は「製造メーカーが増えることで価格や質の向上が期待され、液体ミルクの備蓄を検討する自治体は今後増えるのではないか」とみる。
2019年02月17日

世界のラン展開幕 多彩な「花々」 「光る」初公開
世界最大級のランの祭典「世界らん展2019―花と緑の祭典」が15日、東京都文京区の東京ドームで始まった。29回目の今年は、ランにとどまらず、多彩な「花々」や多肉・食虫植物などの「緑」があふれる。世界初公開の「光るシクラメン」などが見どころ。22日まで。
会場には世界18カ国・地域の約3000種、約10万株、250万輪以上の花を展示する。コチョウランやカトレアなどのランで彩った幅約20メートル、高さ約5メートルの「オーキッドゲート」や、華やかなシンボルモニュメントなど、写真映えする空間を演出。光るシクラメンは、深海に生息する海洋プランクトンから発見された蛍光タンパク質の遺伝子情報を導入した。
ランのコンテストは個別部門の最高位「日本大賞」に、東京都の櫻井一さん(71)が栽培したパフィオペディラム エメラルドゲート「グリーン グローブ」が選ばれた。
2019年02月16日

100年ぶりに地酒復活 若手が原料米作り協力 栃木県高根沢町
栃木県有数の米どころ、高根沢町で、町内産米を使った日本酒が100年ぶりに復活した。若手農家や隣接する那須烏山市の酒造会社などが協力。「縁も高根沢」と名付け、町内の食と健康をテーマとした複合施設、元気あっぷむらで販売を始めた。
酒造りは、加藤公博町長が発案し、昨年3月に本格始動した。同公社によると、同町では明治時代以降酒蔵がなくなり、日本酒の醸造が途絶えていたという。4Hクラブの若手農家3人が酒造好適米「山田錦」を計80アール作付け。収穫した米約3トンを、昨年11月末から島崎酒造が醸造した。
9日には完成発表会があった。同公社の神長政男代表は「カメムシ発生や台風、大雨など苦労があったが、多くの方の協力で完成した。若手農家の思いが詰まったお酒をぜひ飲んでほしい」と呼び掛けた。4Hクラブの代表・永井秀和さん(37)は「飲みやすく、すっきりとしておいしい」と笑顔を見せた。
2、3月に生酒2000本、4月以降に1回火入れ4000本を販売する予定。1瓶(720ミリリットル)1700円。問い合わせは元気あっぷむら、(電)028(676)1126。
2019年02月15日

第2回落札7・9万トン 「優先枠」累計は47% 備蓄米
農水省は13日、2019年産政府備蓄米の第2回入札(12日実施)の結果を公表した。今回新たに7万9775トンが落札され、初回を加えた「優先枠」の累計落札数量は9万7403トンとなった。累計落札率は年間枠(20万9140トン)の47%だった。初回で様子見した新潟や富山といった主産地で落札が伸びるなど、取り組み拡大に向けた動きが出ている。
2019年02月14日
27日に初回入札 TPP豪産輸入枠
昨年12月末に発効したTPPを巡り、農水省は13日、オーストラリア向けに新設した売買同時契約(SBS)方式の米の輸入枠について、初回入札を27日に開くと発表した。契約予定数量は1000トンで、初年度の年間枠の半分に当たる。結果は同日に公表する。
2019年02月14日
エコフィード 業界挙げて防疫を シンポで豚コレラ対策
全国食品リサイクル連合会が13日、東京都内で開いたエコフィードに関するシンポジウムで、豚コレラも含めた防疫対策が改めて強調された。今回の発生農場には、エコフィードを利用している養豚場があったこと、感染ルートの一つとして飼料輸送が疑われていることもあり、発表者が輸送車両の消毒技術や飼料の衛生的処理方法などを示し、病害の発生源とならないための意識改革が必要だと訴えた。
2019年02月14日

キャベツ低迷 2割安 日農平均 降雨で入荷増続く
キャベツ相場が低迷している。2月上旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は過去5年平均(平年)を2割下回る1キロ81円。暖冬傾向に加え、適度な雨で生育が進み、潤沢な入荷が続く。業務筋の引き合いは弱く、スーパーの売り上げも前年を下回る。今後も安定した出荷が続く見込みで、卸売会社は「月後半も安値基調が続く」と見通す。
2019年02月14日