土に触れ 汗流し… 体験型農園 お薦め 「ストレス軽減」 実証 ホルモン計測半数超 “効果” 東京で全中と順天堂大

農作業を見守る順天堂大学の研究員(17日、東京都練馬区で)

 「体験型農園」で農作業をすると、ストレスを軽減する効果がどれだけあるのかを調べるため、JA全中と順天堂大学は17日、東京都練馬区で実証試験をした。都市部の住民が参加し、野菜の収穫後に、ストレスホルモンを計測。簡易試験では、半数以上で効果が確認できた。今後、詳細に数値化する。全中は体験型農園の効果を科学的に裏付けて魅力をPRし、体験型農園の普及につなげていく考えだ。

 体験型農園は園主側が必要な資材や農具を用意して利用者に栽培法などの指導を行うもので、市民農園と比べてサービスが手厚いのが特徴。企業が職員に対する福利厚生として取り上げ、食育などに役立つ取り組みとしても注目が高まっている。

 実証試験は練馬区の体験型農園「百匁(ひゃくめ)の里」で行い、都市部の住民約40人が参加した。園主の加藤正明さん(56)が農作業のポイントなどについて講義した後、同大学の研究員が参加者から唾液を採取して、農作業前のストレスホルモンを計測した。

 参加者は晴天の下、住宅地に囲まれた35アールの園地で、それぞれブロッコリーやダイコンを収穫した他、レタスに追肥をするなど、1時間ほど農作業をした。作業後にも唾液を採取し、作業前と比べてストレスホルモンがどれだけ減ったかを調べた。

 簡易的な試験では、ストレスの度合いを示す唾液中のアミラーゼが半数以上の人で下がった。同大学の研究員は「土に触れたことで、リラックスした状態になった」と分析する。今後、さらに詳しくストレスホルモンを分析し、効果を数値化していくという。

 全中はこれまでにも東京農業大学との共同で体験型農園の実証試験を行い、農作業をすると心理状態が改善する結果を得ている。今回の試験で、科学的な効果を数値化し、JAグループとして食育や企業の福利厚生などのツールとして体験型農園の活用を提案する考えだ。

 全中のJA支援部くらし・高齢者対策課の高塚明宏さんは「多くの人に体験型農園の魅力を伝え、農業の応援団を育てていきたい」と意気込む。
 

「幸福度」も向上 新ビジネス期待


 農業と医学の関係性に詳しい、順天堂大学大学院医学研究科・千葉吉史研究員の話 これまで農作業でのストレス計測を100例以上実施してきた。作業特性はあるが、農作業でストレスホルモンの分泌を抑え、幸福度も向上するデータを得ている。ストレス軽減で農作業に着目した根底には、農業者や農村地域に、ストレスケアという新たなビジネスで、生産物を食べること以外にも利益を得てもらう期待がある。

 

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