SBS入札5月から 前倒し 7月にも出回り 出来秋前、国産に影響も TPP11の豪州米

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)で、オーストラリア向けに新設する米の輸入枠の運用方法が分かった。入札は売買同時契約(SBS)方式で、毎年度5月から隔月で開く。入札の開始時期が既存のSBS枠より前倒しされ、国産米の出来秋に先んじて国内に出回る。枠こそ限定的だが、「安価な輸入米が国産の新米価格を一定に引き下げる要因になる」(産地関係者)との懸念がある。

 日本は、ミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)として年間77万トンの米の輸入枠を設け、そのうち最大10万トンを主食用のSBS枠に充てている。TPP11では、既存枠とは別に、オーストラリア向けにSBS枠を新設。発効1~3年目は年間6000トンで、最終的に13年目に8400トンに拡大する。

 新設枠は、輸入業者と米卸など国内実需者がペアとなって入札に参加するSBS方式で行う。オーストラリアで収穫終盤となる5月から2カ月ごとに年度内で6回開く。

 既存枠の入札は例年9月に始まるが、新設枠では入札の開始時期が約4カ月早まる。オーストラリア産米は入札後約2、3カ月で国内実需者の手元に届くため、輸入米が出来秋より早い7、8月から国内市場に流入することになる。「出回り始めの国産米の出鼻をくじく」(東北地方の産地関係者)との懸念が産地に広がる。

 既存枠では、入札の開始時期に出回り始める当年産の国産米の需給や価格動向を踏まえ、取引されてきた。だが、新設枠では「国産動向にかかわらず、外食や中食事業者など仕向け先を確保し、入札に臨む動きが広がる可能性がある」(大手米卸)。業務用を中心に輸入米の利用が進む契機となるとの懸念がある。

 新設枠では輸入米が落札されやすい仕組みも設ける。各回の入札で落札量が枠に満たなかった場合は、翌日に再度入札を開き落札を促す。それでも各年度の第3回までの入札で落札率が90%を下回った場合、入札の開催回数を一時的に増やすことなども検討。さらに、年間輸入枠が全量落札されない年が3年間で2年あった場合、翌年度の輸入差益(マークアップ)の下限値を15%引き下げる。

 年度中にTPP11が発効する今年度は、来年2月末までに新設枠の初回入札を開く。年間枠(6000トン)の月割り分(2018年12月から19年3月までの4カ月分)の2000トンが取引される。 
 

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