野菜軟調 1割安 需要減に入荷増重なる

 高値が続いた野菜相場が11月に入り軟調に転じている。野菜全体の中旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ121円と、過去5年平均(平年)の1割安。夏からの高値続きで飲食店が輸入物の仕入れを増やすなど、国産の引き合いが弱まっていたところに、好天による生育前進で潤沢な入荷となり荷動きが鈍ったためだ。年末商戦が本格化するまでは売り込みを抑える小売店が多く、卸売会社は「安値が続く可能性がある」とみる。

 野菜相場は7月後半から平年を上回って推移。秋も台風が相次ぐなどした影響で、10月は野菜全体の日農平均価格が1キロ144円と、平年より1割近く高かった。

 11月には一転し、上旬は1キロ142円で平年並み、中旬に割り込んだ。卸売会社は「10月に生育遅れが回復し、後ろに出回る分も前進して重なり荷動きが鈍った」と分析。上旬の大手7卸の販売量が3万6062トンと平年を1割上回り、実需に野菜が行き渡って、軟調な取引に転じたという。

 重量野菜の値下がりが目立つ。中旬はハクサイが1キロ47円、ダイコンは1キロ51円で平年の4割安。最近まで高値だったニンジンやトマトも、先週から下げてきた。

 消費の落ち込みも響く。この時期は鍋物商材の販売がメインだが、東京都内の青果店は「日中が暖かくて売れ行きが鈍い」と話す。一方、気温の低下でサラダ商材の販売も振るわず、「売りづらい気候だ」とこぼす。

 重量野菜を中心に、業務・加工需要は輸入物にシフトする。農水省の植物検疫統計によると、10月の輸入量はレタスが721トンで前年の2・3倍、キャベツが2406トンで2・2倍。大田市場の仲卸業者は「ここ数年は秋に高値が続くこともあり、リスク回避で輸入を仕入れる動きが強い」と指摘する。

 年末まで安定した出回りが続く。葉物産地のJA全農ぐんまは「生育が1週間近く前進し、作柄は良い。出荷は順調に進む」と説明。ダイコン、キャベツ産地のJA全農ちばは「台風の影響を心配したが、好天続きで生育良好」とみる。

 一方、北海道産が主体のジャガイモ、タマネギの土 物類の相場は平年並み。市況を見ながらの計画出荷が来春まで続く。 
 

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