TPP11発効直後は? 豪産牛は様子見 カナダ産に注目 中長期では増加 食肉輸入業者

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)が12月30日に発効することが決まり、食肉業者らが仕入れの対応を探っている。輸入牛肉や豚肉の関税が下がるためだ。輸入量の多いオーストラリア産牛肉では、現地相場の高騰から発効直後は様子見の構えだが、中長期的には輸入を増やす姿勢。発効直後から卸売価格が下がるカナダ産牛肉などを新たに調達しようとする動きもある。国内産地が警戒感を高める中、TPP11発効が迫っている。

 TPP参加国からの牛肉輸入は大半がオーストラリア産。2015年に締結した経済連携協定(EPA)で関税が既に下がっているため、TPP11と比べて低い方の関税が適用される。発効後の冷蔵はTPP11の27・5%(現状29・3%)が適用され、関税が下がる。ただ、冷凍は、EPAの関税が低いため、現状の26・9%を維持。発効2年目の19年4月にはTPP11の関税率が適用され共に26・7%に下がる。

 食肉加工メーカーのプリマハムはオーストラリア産牛肉の関税削減に期待する。「販売価格を下げられるため、販売のメリットがある」(同社)。

 同国産は干ばつの影響で現地相場が高騰し、長期化の恐れがあるため、「輸入拡大はすぐには考えていない」と東京都内の輸入業者。ただ、より低い関税を狙って発効直前の12月は通関を控えるため、来年1月は輸入が急増する見通しだ。特に、現行38・5%の関税が発効後に冷蔵、冷凍ともに27・5%、19年4月以降に26・7%に下がるニュージーランド産とカナダ産は、「大きく関税が下がる4月分に通関をまとめる」(同)という。

 スターゼンは「スーパーのカナダ産に対する注目度が高い」と指摘する。同国産は穀物肥育の「アンガス牛」などが大半で、肉質も米国産に近く、評価されているという。東京都内で300店舗を展開するスーパーは「カナダ産肩ロースなどは卸売価格が1割ほど下がり、価格優位性が高まる」と話す。現在、同国産は扱っていないが、コスト削減を試算し、仕入れを検討している。

 17年の同国産輸入量は約2万トン。米国、オーストラリア産の10分の1ほどだが、「輸出余力はある」(輸出団体)。ニュージーランド産はひき肉用が多く、オーストラリア産の代替として使われる。

 豚肉について、スターゼンは「5年程度たつと、カナダ産冷蔵品にメリットがある」と話す。安価な部位だけ輸入する考えを示す。

 宮崎県の肉牛農家は「安価な輸入品の出回りが増えれば、国内牛肉消費が奪われる」と危機感を募らせる。  
 

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