[未来人材] 30歳。 狩猟免許取り、解体、加工、販売まで ジビエにぞっこん 高橋詩織さん 長野県中川村

「鹿肉は高タンパク低脂肪でアスリートにもお薦めです」と話す高橋さん(長野県中川村で)

 長野県中川村の地域おこし協力隊員、高橋詩織さんは(30)は、村が運営する施設で働きながら、ジビエ(野生鳥獣の肉)の魅力を発信している。施設のキッチンで鹿肉を使った家庭料理を作り、イベントや祭りで提供。地域住民や観光客らを楽しませている。「山肉文化が伝わる南信州で、山からの恵みに生かされていることを広く共有したい」と普及に力を入れる。

 ジビエに関する知識と技術は、山好きが高じた暮らしの中で身に付けた。雄大な山脈を望む伊那谷(伊那盆地)で生まれ育った。首都圏の大学に進学したが、情報があふれる都市生活より、自然の中での簡素な暮らしに強く引かれた。卒業後すぐに、「山で暮らそう」と長野に戻り、南アルプスの山小屋などで働く生活を始めた。

 登山や渓流釣りに親しむ中で、猟師と出会った。「ジビエをごく普通に日常の中で食す姿に感動した」と、わな猟の免許を取得。2016年に協力隊員となり、地元の猟友会が運営するジビエ加工施設「かつらの丘ジビエ工房」で、鹿の解体、精肉、販売まで、一手に担うようになった。「畑が荒らされた」と農家に相談され、鹿の捕獲に奔走したこともある。

 工房の仕事は後任に技術を伝え、現在はシェアオフィス施設の管理人をしながら、鹿肉を使ったカレーやおやき、スープなど、多彩なメニュー作りに打ち込む。隊員の任期は、あと半年ほど。今後も地域でジビエの活用や普及に携わるつもりだ。「伊那谷の環境は素晴らしく、離れる理由が見当たらない。気が済むまでここで暮らすのだと思う」。高橋さんの山での生活は続く。(江口和裕) 

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