温暖化「適応計画」決定 高温でも育つ稲開発 政府

 政府は27日、地球温暖化による被害の軽減に向けた「気候変動適応計画」を閣議決定した。農業分野では水稲、果樹、畜産などで各分野の対応策を提示。水稲では高温耐性品種の開発と普及を進め、果樹では、リンゴやブドウで優良着色系統の導入などを盛り込んだ。2020年度までに、平均気温が2度以上上昇しても、収量、品質低下の影響を2分の1に抑えるため、品種・育種素材を10品種以上、生産安定技術を5種類以上開発することを目標にする。
 

果樹、畜産対策普及も


 気象庁によると、日本の平均気温は100年当たり1・19度の割合で上昇。世界平均の0・73度の上昇を大きく上回り、深刻さが増している。政府は閣議決定で、気候変動に対する取り組みを加速させる。

 計画は、農業や自然災害、国民生活など7分野30項目にわたる。影響の重大性、緊急性、確信度を評価し、施策の具体例をまとめた。

 農業分野の水稲では、肥培管理や水管理の基本技術を徹底し、高温耐性品種の作付けを拡大する。19年をめどに、温暖化で発生増加が予想される、イネ紋枯病やイネ縞葉枯(しまはがれ)病などの軽減技術を開発する。

 果樹の温州ミカンでは、より温暖な気候を好む中晩かんへの転換も挙げた。新たな産地形成については、低コストで省力化できる園地整備にも取り組む。

 畜産では畜舎内の暑熱対策の普及と、適正な栄養管理による生産性向上技術の開発を基本とした。飼料作物は、高温に強い品種の育成と栽培技術の確立も進める。

 農業生産基盤では、排水路整備やハザードマップ作成など、ハードとソフトの両面で対策し、防災と減災につなげる。

 12月1日に施行される気候変動適応法に基づいて計画を策定した。同法は①各分野の適応を推進する計画の策定と、進展の評価法の開発②5年ごとの気候変動の影響調査──を含む。

 計画は5年ごとの影響評価の結果を踏まえて改定していく予定だ。

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