ジビエ利用27%増 捕獲の1割、需要拡大を 農水省調べ

 野生鳥獣の肉(ジビエ)の年間処理量(2017年度)が1629トンに上り、前年度から27%増えたことが農水省の調べで分かった。鹿の食肉利用に加え、ペットフード向けが2倍に増えたことが追い風となった。利用が順調に進む半面、鹿とイノシシの捕獲頭数に占める利用量の割合は、1割以下と低い水準にあり、需要をどう拡大するかが依然として課題となっている。

 同省による調査は2回目。利用量を把握してジビエ活用の課題を探るため、昨年度から開始した。

 用途別の最多は、飲食店などに販売した食肉で、1146トン。前年度比13%増で、全体の7割を占めた。次いで多かったペットフードは373トン。2倍以上増え、全体の2割を占めた。

 同省は「各地でジビエの処理施設が動きだし、食肉加工が進んでいる。簡易な加工で済むペットフードから取り掛かるケースも多い」(消費統計室)と分析する。

 都道府県別の利用量は、エゾシカの生息数が多い北海道が最も多く、769トンだった。次いで兵庫県の122トン、長野県の73トンと続く。

 ジビエとして解体された野生鳥獣は9万6907頭・羽。このうち鹿は6万4406頭で16%増、イノシシは2万8038頭で2%増えた。

 政府は、17年にジビエ利用拡大に向けた対応方針を決定。農作物被害を減らすため、ジビエ利用量を16年度の1283トンから、19年度に倍増させる目標を掲げる。17年度の利用量が1629トンとなり、政府目標に近づきつつあるが、捕獲頭数に対する利用率は低い。

 環境省によると、17年度の鹿とイノシシの捕獲頭数は112万700頭。ジビエとして解体された鹿とイノシシは9万2444頭にとどまり、利用率は8%と低い。利用を促すため、引き続きジビエの需要拡大や加工・流通網の整備が求められる。
 

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