[あんぐる] 豊穣の神 ズンッと一歩 ひょうたん祭り(大分県豊後大野市)

「ひょうたん祭り」で大わらじを履いたひょうたん様。出発の第一歩で大わらじを高く上げ踏み出した(大分県豊後大野市で)

ひょうたん様からお神酒を注いでもらう見物客。飲むと健康になるといわれている

 大分県豊後大野市の千歳町で毎年12月の第1日曜日に、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う「ひょうたん祭り」が開かれる。赤い衣装と特大のわらじを身に着け、お神酒入りのひょうたんを腰に下げた奇抜な姿の神様が練り歩き、住民らと来年の豊作を願う。

 主役の神様は「ひょうたん様」と呼ばれる。わらじは、その年の当番の集落住民が今年刈った香りもち米のわらで編む。毎年、競って大きなものを作るうち巨大になり、今年は長さ1メートル、片足分の重さが15キロになった。

 2日の午後1時半。柴山八幡社そばから、ひょうたん様が約50人の隊列を従えて出発。約1キロを2時間ほどかけて進んだ。巨大なわらじは、歩みに合わせて従者役の住民が綱で引っ張った。

 道中では地域住民や見物客が、縁起物のお神酒をもらおうと行列に近づいた。ひょうたん様は「五穀豊穣になる酒じゃあ」などと声を上げて注いで回り、この日は合わせて10升(18リットル)を振る舞った。

 行列のみこしが柴山八幡社に着くと、祭りは終わった。ひょうたん様を務めた会社員、益永英勝さん(69)は「自分も酔いが回り、最後は足が上がらなかった。一世一度の大役をなんとか務められた」と喜んでいた。

 この祭りは、一説には鎌倉時代の初期に始まったと伝わる。千歳町辺りが戦乱で荒廃した際、この地に宇佐八幡神を迎えようと催した行事が起源とされる。

 市歴史民俗資料館によると、ひょうたん様の赤い着物は神話に登場する神、猿田彦を模したものという。1962年には県が選択無形民俗文化財に指定した。

 今年、「座元」と呼ばれる祭りの責任者を務めた農家、尾石則明さん(65)は「集まった人の笑顔を見ると、来年の作柄も期待できると感じた」と話した。(木村泰之)

 

動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=6qCwGjgIvp0

おすすめ記事

動画ニュースの新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは