[未来人材] 22歳。“師匠”から牛舎、乳牛を第三者継承 「酪農家に」夢実現 別府秀都さん 宮崎県都城市

「就農希望者と後継者を求める農家がつながる仕組みが増えればいい」と話す別府さん(宮崎県都城市で)

 酪農家になる──。鹿児島県曽於市末吉町出身の別府秀都さん(22)は宮崎県都城市内で後継者不在の農場を引き継ぎ、幼少時からの夢をかなえた。酪農を新規で始めると初期投資が膨らむが、別府さんは国の青年等就農資金の利用や既存農家から牛舎や乳牛を譲り受けることで負担を抑えた。「実家が農家でなくても農業を諦めてほしくない」。県南部酪農協やJA都城のサポートを受けながら、5年間で経営を軌道に乗せる計画だ。

 「CEO(最高経営責任者)兼、平社員」という別府さんの朝は早い。午前5時前には牛舎にいる。育成・搾乳牛41頭を飼う。今年4月に経営を継いでから餌やり、掃除、搾乳と作業は全て1人でこなす。

 小学生から夢は一度も変わらない。都城農業高校を卒業後、岡山県の酪農大学校で家畜人工授精師の免許を取得。就職先を探す中で偶然、酪農の後継者を探していた都城市の小野田勉さん・洋子さん夫妻に出会った。技術や経営を学ぶため、従業員として働き始めた。

 働き始めて約8カ月。昨年秋、勉さんの体調が急変。別府さんの意志を確認した南部酪農協が2人の間に入り、経営移譲を支援した。牛は1頭ずつ査定、中古農機はJAに頼み、買い取り価格を算出した。市認定の新規就農者として借りた就農資金を使い、牛と牛舎を譲り受けた。

 “先生”を亡くしたことで「覚悟していたが、夏は大変だった」と別府さん。だが、酪農への情熱は人一倍だ。牛舎を清潔に保ち、毎日ブラッシングは欠かさない。組合唯一の20代。「まずは経営を軌道に乗せること」が目標だ。一歩ずつ夢を実現する。(木原涼子)

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