放棄地対策 エミュー飼育 食用、6次化観光、対鳥獣 多彩な活用 福島県北塩原村

気性の穏やかなエミューを飼育する江川さん(福島県北塩原村で)

 福島県北塩原村が鳥獣害や耕作放棄地の対策としてエミューの試験飼育に乗り出した。2017年度に初めて産卵に成功し、18年度はふ化に挑戦する。卵や肉、皮などほぼ全ての部位が活用できる上、観光資源にもなり得ることから、村は新たな産業の一つとして期待。今後、飼育や6次産業化ができるかを含め、検討していく。

 ダチョウに次ぐ世界で2番目に大きい鳥類で、成鳥で1・8メートルほどになる。気性は穏やかで、雑食。寒暖の差にも強い。

 村の耕作放棄地は17年度、高齢化や後継者不足などで142ヘクタールと、全農地の約2割まで増加。課題解決へ、村が16年3月に包括連携協定を結んだ東京農業大学が、飼育のノウハウを持つエミューの導入を同村に提案。猿やイノシシの追い払い効果や耕作放棄地の解消につなげる狙いがある。

 16年7月から雄6羽、雌6羽のひなを導入し、試験飼育を始めた。

 同村の江川澄子さん(71)は、作付けをしていなかった水田70アールに小屋を建て、飼育する。くず米や鶏の餌を朝晩2回与える。江川さんは「管理は餌と水をやるだけで楽。人には襲い掛かってこないし、顔もかわいいので、観光に人も来るのではないか」とみる。村は、冬の平均積雪量約2メートルの豪雪地帯だが、冬も小屋の外に出て、寒さにも強いという。

 エミューの卵や肉、内臓は食用になり、骨は鶏がらに似たスープが取れる。卵の殻は厚くエッグアートに、皮は高級素材の一つとして財布やバッグに、羽根はアクセサリーや寝具、衣料品に利用できる。脂肪は1羽当たり約6リットルのオイルが精製でき、スキンケア商品などに活用できるという。

 村は「活用法はいろいろある。新たな村の産業になれば」(農林課)と期待する。 

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