TPP11 あす発効 業者は輸入拡大姿勢 ブドウ、キウイ注目 食肉 牛、豚ともカナダ産 本紙調査

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)が30日に発効することを受けて、流通業者が関税の撤廃・大幅削減となる果実や食肉の扱いを増やす姿勢が、本紙調査で浮かび上がった。果実では、流通業者の8割がブドウに注目。種なし品種の輸入拡大を見込む。牛肉、豚肉ではカナダ産に需要が集中しそうだ。輸入品は売り場で既に定着しており、発効を機にさらに、国産需要を奪う恐れがある。(鈴木薫子)

 扱い増加を見込む輸入果実を尋ねた(自由記述・複数回答)ところ、関税が即時撤廃となる品目が上位に挙がった。

 最多はブドウで業者の80%が増加させると回答。関税(現状7・8~17%)が即時に撤廃され、小売価格へ転嫁できるなど「販売しやすくなる」(関西の青果卸)。生産国はオーストラリア、チリが共に55%。種なし品種で皮ごと食べられる手軽さに加え、「国産が出回らない時期」(果実専門店)の販売を検討する。

 次いでキウイフルーツが72%。生産国はニュージーランドが89%。同国産は現状6・4%の関税が即時撤廃となる。安定した供給量を強みに、「原価が下がれば、さらに消費が伸びる」と九州の青果卸はみる。小売りでは同国産1個(約100グラム)100円が約6円安く出回る可能性がある。

 アボカドが56%。うちメキシコが86%と集中した。オレンジも52%で、うちオーストラリアが46%と注目を集めた。

 食肉は、注目する生産国を尋ねた(同)。牛肉はカナダが54%と最多。現状38・5%の関税が発効初年度に27・5%に下がるため、「輸入価格の下落」(食肉加工メーカー)を見通す声が多数あった。都内の輸入業者は「発効後すぐに輸入を増やす」という。「品質が良い」(九州の食肉卸)ことに加え、「供給量が期待できる」(外食業者)と、輸出余力を意識した回答もあった。

 ニュージーランドとオーストラリアが共に23%。主力のオーストラリア産について、大手輸入商社は「輸入を増やす準備を既に始めている」と回答。同国産は経済連携協定(EPA)で既に関税が他国よりも低いため、業者は中・長期的な視点で対応する意向が伺えた。

 豚肉もカナダが69%と首位。「他の輸入品より品質が良い」(輸入業者)として、近年の輸入量が急増している。安価な部位にかかる関税が下がるため、「価格面のメリットがある」(九州の生協)という。メキシコは15%だった。

<メモ>

 スーパーや生協、卸売業者などに対し、11月中旬~12月中旬にアンケート用紙を配布。果実は回収した全51社のうち25社、食肉は24社のうち13社からTPP11発効に関する設問の回答を得た。

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