中山間地で自動運転 ミカン載せ選果場へ 実用実験が加速 高齢者の移動 農作業効率化 福岡県みやま市

運搬車にミカンを積みこむ北原さんら(福岡県みやま市で)

 電動カートが自動でミカンを運ぶ──。中山間地で自動運転の実用実験が加速している。農産物の集荷や運搬に活用し、農作業の省力化を目指す。高齢化が進む地域では「数十年後を考えると軽トラックなどに代わる代替輸送手段は不可欠」と期待を高める。

 「JAの選果場までお願いします」

 福岡県みやま市伍位軒集落のミカン農家、北原秀文さん(65)がジュース用のミカン9コンテナ(182キロ)を小型運搬車に積み込む。すると集落から約6キロ離れたJAみなみ筑後の山川選果場まで、電動の自動カートがミカンを積んだ運搬車をけん引して運ぶ。

 自動運転に使うのは、ゴルフカート型のヤマハ発動機製の6人乗り電気自動車(EV)。実験のため1度に運べる量は12コンテナ(200キロ)とまだ少量。だが、「新技術の導入は高齢化の進む農村にこそ必要だ」(北原さん)と期待は大きい。

 同集落は県のブランドミカン「北原早生」の発祥地。市場評価も高く、販売は順調だが、高齢化で毎年部会員が10人は引退する。

 国土交通省は高齢化が進む中山間地の交通や物流を確保するため、道の駅などを拠点に2017年度から実証実験を始めた。全国13カ所で短期実験を進め、みやま市など一部が長期実験に入った。

 車両は道路に埋めた電磁誘導線に沿って、磁力を検地しながら既定のルートを走行する。自動運転時の最高速度は時速12キロ。停車場や交差点に埋め込まれた無線ICチップを感知して、減速したり停車したりする。路上駐車をよける場合などは手動運転に切り替える。現行の法律では公道での無人運転はできない。実験では運行オペレーターが同乗して選果場まで行き、ミカンを降ろした。

 同市は高齢者の移動や農産物の集荷に自動運転が活用できればと実験に手を上げた。JA選果場の東原弘幸場長は「自動運転での運搬が一つの方法として将来的に確立されれば、農家の省力化になる。自動運転で生産に集中できれば規模拡大にもなる」と話す。

 今後は熊本県芦北町でのデコポンの運搬などでも実証実験を進める。
 

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