[未来人材]29歳。「アレルギーでも…」 加工販売に力  牛の尊さ伝えたい 高橋温香さん 千葉県いすみ市

牛の置物を手に魅力を発信する高橋さん。後ろには牛や酪農の解説ポスターが並ぶ(千葉県いすみ市で)

 千葉県いすみ市の高秀牧場の高橋温香さん(29)は牛の魅力を発信する空間をつくり、消費者に伝えている。牛アレルギーで、現場に出ることは難しい分、牧場内にある「高秀牧場ミルク工房」で新鮮な牛乳を使ったジェラートやチーズの販売に力を注ぐ。

 魅力を伝えようと思ったきっかけは、2013年に酪農教育ファームの授業を見学したことだった。そこで牛が牛乳を生み出すだけではないことに気付いた。

 牛はビールかすなどの食品の製造過程で出たものを食べ、牛ふんは堆肥として使われる。生きている時はもちろん、肉になった後も、革製品として利用される。高橋さんは「当たり前のようにいた牛の見方が変わった。人のために一生を尽くしてくれる牛の尊さや命の循環に心揺さぶられた」と振り返る。

 「アレルギーで現場に出るのが難しくても、牛や酪農、牧場の魅力を伝えることはできる」と、16年には、ミルク工房を開店した。店内には牛の一生や酪農家の仕事を解説する手作りのポスターを掲示。牛のモニュメントや雑貨も配置した。写真を撮り、インターネット交流サイト(SNS)で発信する人も多い。投稿を見て来る人もいて、ピーク時には1カ月で3500人が来店する。

 人気商品は牧場の牛乳を使ったミルクジェラートだ。この他にも、市内産の柿や地元の酒蔵「木戸泉」の甘酒を使った味もあり、常時12種類ほどの品ぞろえがある。

 今後は牧場内に宿泊施設をつくることを構想している。高橋さんは「農の魅力、地域の良さを牛や牧場を通して発信したい」と夢を描く。(藤川千尋)
 

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