[あんぐる] 圧干の光景 大根やぐらのライトアップ(宮崎市)

ライトアップされた大根やぐらの内側。1基に約2万本のダイコンが掛けられ、流れ落ちる滝のように見える(宮崎市で)

闇に浮かぶ大根やぐら。道路沿いにあり通行人の注目を集める (宮崎市で)

 漬物用干しダイコンの生産量が日本一の宮崎市で、農家らが冬の風物詩「大根やぐら」など「干し野菜農法」の日本農業遺産への登録を目指している。特に生産が盛んな同市田野町では農家や市、JA宮崎中央などがダイコンを掛けた巨大なやぐらをライトアップし、熱烈にアピールしている。

 同市の干しダイコンの生産量(2015年度)は6823トンで全国1位。10、11月に農家が竹や杉で全長50メートル、高さと幅が6メートルのやぐらを組み、12月から1基に約2万本をつるし、10日から2週間ほど乾かして出荷する。やぐらは市内各所に計355基建ち、1月下旬から2月上旬の解体まで独特の景観が見られる。

 こうした大根やぐらのある風景を中心とした干し野菜農法を日本農業遺産にしようと、農家や市、JAなどが17年に「日本一の干し大根と大根やぐら日本農業遺産推進協議会」を発足。ライトアップや干しダイコン作り体験などで、価値をアピールしている。

 昨年12月19日に始まったライトアップは、今回で3回目。やぐら2基を白色とオレンジ色の投光器で照らし、暗夜に浮かび上がらせた。市内から見物に来た会社員の池田剛さん(47)は「圧巻の光景に驚いた。素晴らしい農家の仕事。残すべき日本の文化だと感じた」と感心していた。

 軟らかい火山灰土壌がダイコン栽培に適し、冬場に乾いた風が吹く同地では、1960年頃に干しダイコン作りが始まった。その後、JAが独自の漬物工場を設けて安定した価格で買い取る体制を整えるなど農家の経営を支え、日本一の産地に成長した。

 同協議会は18年、初めて日本農業遺産への登録を申請したがかなわず、現在は20年の再申請の準備をしている。

 ライトアップは1月31日まで行う。JAの理事を務める同協議会の栗原俊朗会長は「大根やぐらは地域のシンボル。何十年先もこの景色が残るよう努力したい」と力を込める。(富永健太郎)
 

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