大桃美代子さん(タレント) 米作り通して震災復興 これからは農産物輸出も

大桃美代子さん

 潟県の魚沼市出身です。父親が兼業農家で「コシヒカリ」を作っていましたが、自分が農業に関わるとは思ってもいませんでした。それなのに今、新潟市と福島県矢吹町で、米作りに携わっています。

 きっかけは、2004年の新潟県中越地震。帰省していて被災した私は、何か役に立つことができればと思ったんです。

 新潟ですから、米作りをして復興をアピールできないかと思いました。ただ私が「コシヒカリ」を作ると、他の人が作る米の売れる分を取ってしまう。そう思い、黒い古代米を作ろうと決めました。「コシヒカリ」と混ぜて炊いて食べてください、と。

 魚沼のJAに相談したら、父の名義で田んぼを借り、父から農業指導を受けるという形でならできると言われ、07年から始めました。

 その後、新潟市長さんと知り合ったこともあり新潟市に場所を移しました。農業法人の力を借り、「桃米」という商標も取って古代米を作っています。子どもの食育にと、市が家族を募集し、親子や祖父母と孫が参加してくれています。農作業中は、ボランティアのお母さん方がおにぎりを握ってくださいます。

 この活動を続けてきた中で、東日本大震災が起きました。私は震災直後の11年4月に、現地に行きました。その後、「風評被害」で福島の米が高く売れないという話を聞き、協力をさせていただくことにしました。

 12年から矢吹町での米作りに参加しています。町、善郷小学校、中畑小学校、東京農業大学の長島孝行教授のゼミ、地域の「ぐるぐるnowkers」という若手農家の団体とで、20アールほどの田んぼで「コシヒカリ」を作っています。農薬は使わず、長島先生が研究中のカブトエビを使う農法でやっているんです。このエビは雑草を食べてくれる上、水中で動くことで水を濁らせ雑草が光合成をしづらくするんです。

 エビの卵をまいてふ化させますが、タイミングが難しい。成長しきる前にカエルに食べられてしまうんです。毎年、少しずつやり方を変え、だいぶ良くなってきてはいますが……。いつか「矢吹町のカブトエビ農法」のお米を見掛けましたら、大桃のやっていたことが成功したんだなと思ってください。

 私は韓国に魅力を感じて、4カ月ほど語学留学をしたことがあります。語学もちょっとできるようになりましたし、文化も少し分かるようになりました。

 150回の渡韓もあり、韓国通になり、大邱の観光名誉広報委員に任命されるなどいろいろな仕事をいただくようになりました。地方を回って取材をすることも多くなりました。

 英陽郡というトウガラシの名産地があります。平昌オリンピック前に期間中の食事という取材で行って驚いたんですけど、危害分析重要管理点(HACCP)や農業生産工程管理(GAP)に関する対応がものすごく進んでいるんです。海外への輸出を念頭に、工場はきちんと認証を取っています。輸出を意識しているという点で、日本よりも進んでいると感じました。

 本ももっと輸出を考えた方がいい。素晴らしい食材ですから、いずれ世界が買いにきます。そのための準備もしておいた方がいいと思います。

 私は日本のお米、日本の食事が大好きです。疲れているときは、自分のお米を炊いて、みそ汁、自分のぬかで漬けた漬物、納豆、青い野菜、それにプラスしてお魚。これをいただくと、体がもう大丈夫だと感じるんですね。丁寧に生きているという実感が湧いてくるんです。(聞き手・写真 菊地武顕)
 

 おおもも・みよこ


 タレント活動の傍ら、雑穀エキスパート、ジュニア野菜ソムリエ、おさかなマイスター・アドバイザーの資格を取得。新潟食料農業大学客員教授も務める。3月9日から1泊2日のHIS「大桃美代子のトークショー付! 食と酒と温泉三昧新潟ツアー」が実施される。 
 

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