[あしたのデッサン] JA自己改革継続 内の声と外の力生かせ

 JAグループの自己改革は今年、多くの節目を迎える。自己改革は今後も継続する方針で、組合員の声という「内の声」を起点とし、他の団体や企業など「外の力」をうまく活用すべきである。

 今年は3月に第28回JA全国大会があり、「創造的自己改革への挑戦」を掲げた第27回大会決議実践期間が終了する。5月末には政府の農協改革集中推進期間期限を迎える。多くのJAでは2019年度から新たな中期計画の実践期間が始まり、現在その検討を進めている。

 農協改革集中推進期間の期限が迫り、改革の成果が問われる中、JAグループは生産資材のコスト削減など、さまざまな改革を断行してきた。今後はこれまでの成果を発信すると共に、改革を継続することに力を尽くすべきだ。

 改革に向けて、数多くの課題がある。まずは地域農業の担い手不足だ。日本農業新聞が行った全国のJA組合長らを対象にしたアンケートでは、地域農業の課題として87%が「高齢化・担い手不足」を挙げた。JA経営の厳しさも増している。理由として組合員の高齢化や世代交代、信用・共済事業の伸び悩みを挙げる組合長が多かった。

 こうした課題を踏まえ、改革をどう続けていくか。改革継続の鍵を握るのは組合員の声だ。

 いくつかのJAでは、組合員の声を継続的に改革に生かすための仕組みを設けている。JA広島中央は、自己改革推進本部を設け、半期ごとに進捗(しんちょく)を管理。組合員にも発信し、要望や評価を聞き取る。

 鹿児島県のJAあいらは組合員の意見にどう対応したか、四半期ごとに担当部署から聞き取っている。対応は広報誌やホームページで明示。協同組合として、組合員の声を基にした運営を実現している。

 二つ目の鍵は、他団体との連携など外の力を生かすことだ。地域をJAが単独で支えるには限界がある。JAは農業者や地域住民と強いつながりがある。他の組織にとっても連携先としての魅力があるはずだ。先進技術を持つ企業や、同じく地域に根差す生協などの協同組合や商工会などとの連携も考えられる。JAにはない新たな発想が得られるチャンスとなろう。

 連携の糸口としては、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)がある。日本協同組合連携機構(JCA)のJAを対象にした調査では、SDGsを情報発信などに活用したいとの声が6割を占めた。期待する効果として地域社会との連携強化を挙げる声が最も多かった。新たな視点でJAの役割や価値を発信することもでき、協同組合間連携のきっかけも生まれる。

 自己改革を継続することは決して容易ではない。だが、こうした連携を活用しながら、組合員のためになる改革を続けたい。そうしたことが、地域でのJAの存在感をさらに高めることにつながる。 
 

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