最近、やけにスーツを売り込むはがきが送られてくると思ったら

 最近、やけにスーツを売り込むはがきが送られてくると思ったら、息子が成人式を迎えるからだった▼ついこの前まで保育園に預ける時、大泣きしていたのに。いつの間にやら「金(くれ)、肉(食べたい)、うっせー(うるさい)」とぬかすひげ面の男になっていた。来年には家を出ていくという▼この世のお母さん、お父さんは、どんな思いで子育てを卒業するのだろう。地方の大学に息子を進学させた農家の友人に聞いてみた。「ああ、もう洗濯物がないんだ、弁当の心配しなくていいんだとか。なんか欠けた感じ。でも時間が埋めてくれるよ」。家を出た時点で諦めがついたらしい▼心に刻もうと思ったのは先輩お母さんの言葉。「子供が自分から出ていくってことは子育てがうまくいった証拠」。漫画家西原理恵子さんは『卒母(そつはは)のススメ』にこう書いた。「自分の子供を自分よりいい笑顔にして送り出す」、それが卒母だと▼年末の大掃除で、葉祥明さんの絵本『子どものこころを感じてみようよ』が出てきた。パラパラとめくっていたら、こんな言葉に出合った。「そのときは、いがいとはやくくるかもしれない。ボクが、こどもでいられるじかんはみじかいんだ。ホントにそれは、あっというまなんだ」。見過ごしていたフレーズが、今はことの外、重い。
 

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