対米交渉 EU 農業除外を主張 日本との違い 鮮明に

 欧州連合(EU)の通商担当閣僚であるマルムストローム欧州委員は9日、米国との貿易協議で農業分野を除外する考えを示した。欧州の農業市場の開放を狙う米国をけん制した格好だが、米国側は除外を認めない方針で駆け引きが続いている。農業分野を交渉対象にすることを受け入れた日本とEUの対応の違いが浮き彫りになった。

 マルムストローム氏は9日、米国ワシントンで開かれた日米欧の貿易担当相会合に先立ち、記者団に、米国との貿易協議で「EU側からは農業の議論するつもりがないことを明確にしている。それは、米国側が公共調達や地理的表示について議論するつもりがないのと同様だ」と語った。

 米欧は昨年7月の首脳会談で貿易協議入りで合意。ただ、当面の協議対象を「自動車を含まない工業製品」とし、農業分野は盛り込まなかった。マルストローム氏の「農業の議論するつもりはない」という発言は、こうした経緯を改めて踏まえたのものとみられる。

 だが、米国側の認識はEUとは異なる。米紙報道によると、8日にマイルストローム氏と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が会談。マルムストローム氏は米国側は農業分野の除外を認めていないとし、貿易協議の対象分野を巡り、綱引きが続いていることを明らかにした。

 米国政府内では、今後の交渉について「大豆以外の農業分野も具体的に話す」(ムニューシン財務長官)との発言も出ている。農産物を含め、幅広い分野を取り上げる新たな交渉の枠組みとしたい構えだ。EU、米国間で意見のぶつかり合いが激しくなる可能性は高い。

 一方、日米は9月の首脳会談の段階で農産品を含む物品についての交渉開始で合意。交渉に入る前の時点で、農林水産分野について「過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限」とする方針を日米共同声明に盛り込んだ。

 農業分野自体の除外を目指すEUと、対象にすることを前提とした日本政府とで、交渉姿勢の違いが鮮明になっている。 
 

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